新型肺炎と闘う武漢市民を「食」で支える小さな英雄たち

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猛威を振るう新型肺炎の感染拡大を防止するため、中国当局は1月23日に湖南省武漢市の「封鎖」に踏み切った。ウイルスの拡散を防ぐため、医療従事者による決死の努力が続く中、人々に食事を届ける「小さな英雄たち」が汗を流していることも見過ごしてはならない。

医療従事者や建設作業員に弁当を提供

新型肺炎の流行に伴い武漢市のレストランが相次いで店を閉める中、中国のファストフードチェーン「大米先生(Mr.Rice)」は、むしろ業務時間を拡大して病院や建設現場、ボランティアなどに1万食あまりの食事を提供している。

旧正月の前日、大米先生の武漢市場総経理を務める楊帆氏は1枚の写真を目にした。そこに写っていたのは、武漢同済医院の医師十数人とカップラーメンやパンが散乱する事務机だった。大みそかのこの日、本来家族と囲むべき年越しの食事がこの有様だったことに楊氏はひどく心を痛めた。

当時長沙市にいた楊氏は、重慶に本部を置く関連会社の「郷村基集団(CSC)」にレトルトごはんが4000食あることを知り、すぐさま武漢の医療従事者に届けるよう手配した。それを受けた郷村基集団は休暇に入っていた従業員の一部を呼び戻し、さらに6000食を集めて、合計1万食を武漢に届けることに決めた。

新型肺炎専門の「火神山医院」の建設現場で提供される大米先生の弁当

その1万食には、「この街を守る皆さん、どうぞお体に気をつけて」との言葉が添えられていた。

大米先生の従業員のうち、武漢にとどまっているのは200人あまり。武漢市が封鎖されてから同チェーンでは100店舗近くの営業を停止したが、7店舗を使って医療従事者やボランティア、肺炎専門病院の建設作業員などに食事を提供している。

大米先生で食事を準備している様子

人影が途絶えた街を走るデリバリー配達員

武漢市が封鎖された初日、フードデリバリー大手「餓了麽(Ele.me)」は声明を出し、特定区域を除き通常通りデリバリーを行うことを発表した。

その前日、デリバリー配達員の樊弘洋さんは市外から匿名の注文を受け付けた。武漢のウイルス研究所で働く人たちにケーキ10個を届けてほしいという、思いやりにあふれた注文だ。配達に向かう途中の果物屋で樊さんはイチゴを買い、ケーキと共にウイルス研究所の職員に手渡した。「少しでも力になりたいと思って」。

普段は人でごった返す武漢の街から人影が消えた。道路沿いの店舗もほとんどがシャッターを下ろしており、営業を続けているのはごくわずかだ。

新型肺炎を恐れて「商品は玄関前に置いてください」と注記する人が増えているほか、配達員が居住区に入る前に体温測定を求められることもある。

配達員の不足に加えて配達先が分散しているため、樊さんは毎朝9時から夜8時まで走り続けている。人々に食事や生活必需品を届けるためだ。「こういう時こそ、私たちが必要なのです」

フードデリバリー配達員

徹夜で完成させた生鮮食品購入システム

武漢市の封鎖当日、あるデリバリー配達員は朝から40件以上の注文を受け取った。そのほとんどが野菜や米、油などだ。しかしスーパーに商品はなく、注文はすべてキャンセルするほかなかった。

その同じ日、武漢で肉や野菜の流通を担う「万吨通科技(WANTONTONG)」と餓了麽の技術チームが集まり、夜通しでオンライン生鮮食品購入システムの開発に当たっていた。

同システムは1月27日に運用を開始、両社は全力で仕入れ先の確保に当たり、「有家便利(U-home)」や「Today」などのコンビニを含む100カ所をサービスステーションとした。

夜8時までに餓了麽を通して注文すれば、翌日には受け取れる仕組みだという。商品はサービスステーションで受け取るか「置き配」を指定でき、人混みを避けながらも通常の生活を送ることができる。

システムの運用開始初日には300件近くの注文があった。50人ほどの従業員が手分けして、カスタマーサービスや仕入れ、パッキング、配送などの業務にあたった。生まれも育ちも武漢という董事長の譚磊氏は、システムの運用が始まってからほとんど会社に泊まりこみだという。それも夜中の2時を過ぎてからやっと休めるという具合だ。「給与について尋ねる人はいません。みな武漢のためにできることを行いたいと思っているのです」

(作者:「鋅刻度」(Wechat ID:znkedu)、鄭眠)
(翻訳・畠中裕子)

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