絶景に「球体」ホテル、IOT化したスマートハウス 山頂でも簡単設置

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絶景に「球体」ホテル、IOT化したスマートハウス 山頂でも簡単設置

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江西省中西部に位置する標高1918メートルの武功山は登山の名所で、日の出を見ようと山頂で宿泊する人も多い。しかし、地形の関係で、山頂の宿泊施設は簡単なベッドしか設置されておらず、暖房が効かずに部屋内が寒いことがよくある。絶景と快適な宿泊環境を両立させる方法はないのだろうか。

この課題に取り組んでいるのが、観光地向けのスマートハウスを開発している「星球客(Sunguest)」社だ。同社の製品は直径3メートルの球体ハウスだ。球体の上部は透明なドーム型になっており、周辺の絶景を眼下に収めることができる。下部はスマートフロアといい、アメニティや室温コントロールシステムなどが備わっている。各部品のサプライチェーンはすでに安定供給が可能となり、現地に部品を運び組み立てれば使用が可能だ。星球客の総経理孫鑫氏によると、この製品のアイデアを思いついたのはまさに武功山に遊びに行ったときのことだったという。

屋外に設置する製品であるため、球体ハウスの材質の強度が重要になる。星球客は試作を繰り返した結果、ドームの素材に警察の防護盾としても使われているポリカーボネートを採用した。この素材は紫外線をカットでき、遮音性にも優れており、透明度は90%に達している。ドームは複数のモジュールからなっており、強度を確保するために組物構造を採用している。

下部のスマートフロアにはトイレ、洗面台のほか、温度と湿度のコントロール機能がある。また、星球客は外部企業と提携しスマート管理システムを開発した。球体の外部に10のセンサーを設置し、外部の温度・湿度の変化に合わせて自動的に室内の環境を調整する仕組みだ。室外の環境が適切な状態なら自動的に換気することもできる。さらに特筆すべきは同社が開発したスマートロボット「小星」である。これを使えば星球客を遠隔操作することが可能になる。また、室内の電気製品の設定を変えたり、室外の景色の映像の視聴や食事の注文も可能だ。

星球客の内部の様子

孫鑫氏によると、今後星球客はVR機能といった新しい技術とエンターテイメントを搭載する予定であり、絶景を楽しむと同時に、ゲームや映画を楽しむこともできるようになるという。

統計によると、2019年、中国のオンライン宿泊予約の金額が3000億元(約4.8兆円)を超えたが、観光地で宿泊施設を建設するのは難しい。木造建築物を作るには建築許可が必要であり、プレハブ住宅には輸送、設置などの課題がある。それに対し、星球客はモジュール化されており、30日間で100セットを製造することができ、すべてのモジュールが現地組立可能になっている。

現在すでに20以上の観光地が星球客との提携に合意しており、今年はまず武功山、青海湖などで設置する予定だという。同社は観光地からハウスの賃料を受領し、さらに宿泊客の利用料金から一定比率の分配金を受け取る。

星球客は北京市通州科学技術委員会からの支援金を受給しており、現在次のシリーズでの資金調達を行っている。

(翻訳:小六)

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