オンライン上に「モデルルーム」、EC大手「京東」がインテリア・家具の新サービス開始

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中国の大手ECサイト「京東(JD.com)」がこのほど、モバイルアプリの「インテリア・家具」カテゴリーに「京東家」というサブカテゴリーを追加したことが分かった。「アプリで見たインテリアをそのまま買える」サービスを提供する。

京東家は設計・コンサルティングからレイアウト・商品購入まで、インテリアデザインの全プロセスで発生するニーズに対応する。専門家やデザイナーが商品を選んで組み合わせ、プラットフォーム上に「モデルルーム」を作成。ユーザーは膨大な数のプランから好みのものを選び出して比較し、確認後は「モデルルーム」ページから直接商品を購入することが可能だ。さらにAR機能を使うことで、スマートフォンのカメラで映した自分の部屋に商品を表示させ、配置の効果やサイズ感、色を確認し、細かいところまでチェックすることができる。

画像出典:京東家

京東家のサービスは京東集団のインテリア・生活業務部門が立ち上げた。商品を場面別に組み合わせるだけでなく、オンラインの専用デザインプラットフォームを作成、一対一のデザインサービスを提供する。

これまでは家具やインテリア用品を購入する際、実物に触れることはできても、実際に配置した場合の効果を目に見える形で確認することは不可能であり、勘を頼りに選ぶケースがほとんどだった。インテリアデザインを依頼する場合は何度も店に足を運ばねばならず、多くの時間と労力を費やすことになるほか、地方都市では適当なデザイナーを見つけることが最初の難関となっていた。

こうした状況がオンラインを活用したインテリア事業の登場につながった。京東だけでなく、アリババ、テンセントなどIT大手がすでに参入を果たしている。アリババは傘下のEC大手「タオバオ(淘宝網)」が内装やインテリアに関するワンストップサービスを提供するECサイト「極有家(JIYOUJIA.COM)」を展開するほか、家具販売の「居然之家(Easyhome)」や内装・インテリア工事の「匠多多(Many Craftsmen)」に出資。テンセントは家具販売大手の「紅星美凱龍(Red Star Macalline)」と戦略的パートナーシップを結んでおり、インテリア業界のデジタル化された新たなビジネスエコシステムの分野で協力している。

京東集団は新たに立ち上げた京東家において、▽商品を単独で陳列する従来の販売方法から、場面別に組み合わせて購入につなげる方法に改め、デザイナーや専門家が作成した商品の組み合わせ例により、プランや選択肢を視覚的に提供する▽インテリアデザインを必要とする場合はプラットフォーム上でデザイナーを予約し、オンラインで打ち合わせやプランの修正、最終デザインの納品を行えるようにし、全体的なコストを引き下げる▽地域的な制限の無いオンラインを活用した一対一のコンサルティングサービスで、より多くの地方都市の消費者をカバーする――などを想定している。

京東家の打ち出す「D2B2C(Design to Business to Customers)」という内装・インテリア業界のビジネスモデルは、デザインと施工が別、商品ごとに購入先が異なるという従来型ビジネスモデルの問題を解決するだけでなく、デザインからサプライチェーンまでを一貫して扱う完結したインテリアECの構築につながるだろう。
(翻訳・池田晃子)

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