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中国で青少年の運動能力低下が叫ばれて久しい。学校現場における体育の授業にも解決すべき問題点はあるが、十分なスキルを持った教師が揃っているわけではなく、多くの学生を一度に指導するにも限界がある。子どもの身体づくりを学校にばかり任せておけないと、近年ではスポーツ系の習い事も人気となりつつあるという。
2018年に設立された「AI Motion Sports(以下、AIMS)」は、こうした問題をAIやIoT技術によって解決しようと試みる。運動のプロセスをリアルタイムで記録するスマートブレスレットを活用するのだ。スマートブレスレットには自社開発したAIアルゴリズムが搭載されており、モーションキャプチャと動作識別により、学生の運動記録をデータ化。スポーツ教育組織や学校教育の場での利用を想定している。
AIMSは現在、50余りの見込み顧客を抱えるほか、すでに試験運用に入っている顧客もいるという。資金面ではハードウェア関連のアクセラレーター「HAX」やスタートアップビルダー「Entrepreneur First」から出資を受けているほか、エンジェルラウンドでの資金調達を実施中だ。
AIMSのソリューションは、ハードウェアサービスとソフトウェアサービスに二分される。
ハードウェアサービスでは、スマートブレスレットにセンサーを搭載し、運動のキャプチャを行いデータとして転送するほか、独自アルゴリズムを用いた動作認識や評価などの分析作業を行う。リアルタイムで運動を記録し、学生の運動状況を個別に分析、データログを作成する。さらに運動時の心拍や脈拍などの生理的データをモニタリングし、不測の事態を回避する。すでにバスケットボール、縄跳びなどさまざまな運動に対応しているという。
一方、ソフトウェアサービスでは、SaaSを通じてデータサービスを補完している。管理者に対して学生個人およびクラス全体のリアルタイムデータやトラッキングデータを提供し、これを基に個々の学生の運動能力の成長状況や、教師の指導状況を報告書にまとめる。
AIMSのソリューションは企業向けあるいは公的機関(公立学校)を対象としたものだ。
企業向けのソリューションでは、ウェアラブル端末とSaaSを連動させて、受講生の運動データをリアルタイムで記録・追跡しインストラクターの指導水準を高めるほか、インストラクターや受講生の管理に役立てる。
公立学校向けのソリューションでは、体育の授業中に各学生の運動状況を把握し、授業の効率と質を高める。教師は蓄積した記録に基づき、学生の成績を客観的に評価することができる。また授業中に割り出した個別の課題点を宿題として持ち帰ってもらい、その実践データも記録できる。
これらはすでに広東省深圳市の複数の学校や民間のスポーツクラブなどで導入されている。
同社の収益源はウェアラブル端末の販売とSaaSの利用料だ。創業者の王宇帆氏は香港城市大学で博士号を取得、モーションセンサーなどに活用されるMEMS(微小電気機械システム)、AI、動作識別・分析を主に研究してきた。共同創業者の范夢嬌氏は香港大学で博士号を取得、運動学習・制御やリハビリテーションを主に研究してきた。
(翻訳・愛玉)
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