Uberよりニッチな市場を狙う 子ども向けライドシェア「HopSkipDrive」、米国の通学事情を改善

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Uberよりニッチな市場を狙う 子ども向けライドシェア「HopSkipDrive」、米国の通学事情を改善

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子どもの通学に特化した米ライドシェア「HopSkipDrive」が先月、2200万ドル(約24億円)を調達した。合計15の機関がこの投資ラウンドに参加した。同社の共同創業者兼CEOのJoanna McFarland氏は、同社をUberと比較するつもりはないが、収益性には自信があり、今後も学校やコミュニティとの協力を強化していくと述べた。

米国の学校は生徒の送迎に年間250億ドル(約2兆7000億円)を費やしているが、スクールバスを利用する学生はわずか3分の1であり、リソースの無駄使いになっている。特に切迫しているのは特別な配慮を必要とする子どもたちだ。彼らは往々にして身体的ハンディキャップのために自力で乗降場所まで行くことができない。HopSkipDriveはこうした子どもたちを学校に送迎する。ユーザーがHopSkipDriveのアプリをダウンロードし、前日に送迎ルートの予約をすると、システムが自動でドライバーのマッチングをする。同社は現在、学校向けの送迎サービスと、仕事が忙しくて子どもの送迎ができない保護者向けのサービスの2種類を提供している。

HopSkipDriveは全米7州の6000校と提携し、累計65万人の子供たちにサービスを提供してきた。学校関係から支払われる利用料が同社の利益の70%を占めており、1000人以上に及ぶ提携ドライバーは90%が女性で、いずれも児童向けサービスで5年以上の就業経験をもつ。HopSkipDriveは本人確認を2度行い、子供が乗る車が予約した車両と一致するよう保証する。

乗客である児童が携帯電話などのモバイル機器を持っていないことを前提としているので、保護者によるリアルタイム車両追跡や、運営会社によるモニタリング、異常検知と技術サポートなどの機能も備える。技術チームはGPSとセンサーを駆使し、例えば、車が停止している場合、その理由がタイヤがパンクしたためなのか、渋滞のせいなのか、ドライバーが自主的にブレーキを踏んだからなのかを把握し、タイヤがパンクしたならば代替車両を派遣する、あるいは学校と保護者に子どもの遅刻を知らせるなど能動的に対応できる。

Joanna McFarland氏は名門ビジネススクールのペンシルバニア大ウォートン校出身だ。会社設立の経緯については「私は金融業界からテクノロジー企業の製品管理に転職、昇進と共に家族も増えた。息子を3時に空手教室へ送る暇がないと分かった時は本当にがっかりした。シッターはは必要なく、送迎者が一人いてくれれば十分だった」と語る。自身のニーズから彼女は子供専門のシェアモビリティ事業の創設を考え始めたのだ。

HopSkipDriveのターゲットはUberよりニッチな市場だ。子ども相手の市場は他年齢層の市場より求められる安全水準が高い。同社はドライバーの厳しい採用基準や監視システムの完成度により、サービスの安全性に説得力を持たせる。

HopSkipDriveは、UberとAirbnbの成功例が確立したシェアリングエコノミーをコンセプトとする。そのモデルを援用することに大きな問題はないかもしれないが、対象とする市場は最も安全保障を必要とするグループだ。そして、このセキュリティの問題はシェアリングエコノミーを手がけるどの企業も完全には解決できないままだ。そのため、セキュリティはHopSkipDriveにとっても今後の成長に影響する未知因子になる可能性がある。
(翻訳・永野倫子)

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