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武漢市の武漢協和医院、同済天佑医院へ「中国移動(China Mobile)」と「達闥科技(CloudMinds)」から、5G対応のスマート医療ロボットが2台寄贈されたとのこと。サービスロボットと消毒清掃ロボットの2台で、病院内の隔離管理レベルを向上し、医療スタッフの感染を減らすようサポートする。
サービスロボットは人の流れが最も多い病院のロビーに配置され、診療案内を行ったり感染防止の知識をアナウンスしたりする。消毒清掃ロボットは、消毒液の入ったタンクを搭載し、規定のルートに沿って院内の消毒業務を遂行する。
これまで多くの人々が目にしてきたロボットと言えばスマート物流ロボットだろう。EC大手「京東(JD.com)」の物流ロボットも感染地域の指定病院で物資を配送する試みを開始している。しかし、さらに注目すべきは、多くのスマート医療サービスロボットが「新型肺炎との戦い」に加わっているということだ。
中山大学データ科学・コンピュータ学院の陸遥教授は新浪科技のインタビューに対し、「現在の医療サービスロボットは無人の診療案内、自動応答による発熱問診、患者の先導や初歩診療などを行うことができ、患者に対する医師の遠隔診療も実現できる。また診療情報の収集、報告、統計、分析も可能で、医療スタッフが迅速に治療方針を決定できるようサポートする」と述べる。
もう一方で、検査結果や薬を運ぶなどの簡単ではあるが労力のかかる定型的な作業をロボットに行わせることで、医療スタッフの仕事量を軽減し、配送中の感染を防ぐことができる。
「猟戸星空(OrionStar)」、「思必馳(AISPEECH)」などの複数のAI企業がすでにスマート医療ロボットを新型肺炎と戦う前線の病院へ送り出していることが分かった。これらの企業の医療ロボットは、調剤、薬の配達、健康チェックなど様々な役割をカバーしている。
猟戸星空が寄贈した医療サービスロボットは、病院の必要に応じて検査結果や薬などの配達作業を行う。思必馳の感染症予防ロボットは住民の訪問、情報の伝達、よそから来た人の確認、健康チェック、感染防止の提案などを行う。さらに重点的な観察が必要な人々に対しては、感染に関する記録と定期的な追跡調査を行う。無錫の企業が開発した調剤ロボットは、薬品の調剤過程をすべてロボットが行い、医療スタッフが薬品に直接触れる必要がないため、薬の交差汚染、空気汚染を防ぐことができる。このロボットはすでに武漢赤十字病院へ配置されている。
医療サービス分野では、スマートロボットを応用できる場面が豊富にあり、様々な活用法が考えられる。
海の向こうでは、米国で新型肺炎の患者に対してロボットを使った治療が行われた。英ガーディアン紙によると、1月22日(英国時間)、ワシントンにある医療センターで米国初症例となる新型肺炎患者に対して、感染症の拡散を防ぐために、ロボットによる治療が行われたとのこと。
中国におけるスマート医療ロボットの普及率はグローバル市場と比べるとまだ低いが、応用シーンと需要は多い。国際ロボット連盟(IFR)のデータによると、2018年の中国におけるスマート医療ロボット市場規模は34億元(約540億円)に達し、2025年までに100億元(約1580億円)を突破する見込みだという。
陸遥氏は「医療サービスロボットはデータやスマート化の技術によって、医療スタッフがより効率的で安全に病状を診断する大きな助けとなるだろう」と述べている。
(アイキャッチ写真は中国移動より)
(翻訳・普洱)
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