株価急騰、テスラは第二のアップルになり得るか?

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「ウォール街の億万長者、テスラ株空売りで百万長者に」

ジョークのようなこの話は、著名投資家デービッド・アインホーン(David Einhorn)氏の身に起きた。テスラ株の値下がりを見越して空売りしたものの、株価の急騰が続き、巨額の損失を被ったのだ。このところテスラの株価は乱高下し、1月31日から2月20日までに650ドル(約7万1000円)から800ドル(約8万8000円)へ上昇、一時1000ドル(約11万円)に達したこともある。テスラは明らかにウォール街で最大の賭博場になっている。

大手スマホメーカーのアップルはサービスによる付加価値で株価を上げたが、テスラも同じようになると信じて疑わない投資家もいる。アップルの時価総額1兆ドル(約110兆円)が携帯電話事業だけで説明できないならば、テスラも製造業だけで評価するわけにはいかないのだ。

テスラは第二のアップルになり得るか

自動車株からハイテク株への転換がテスラ株価急騰の理由との見方がある。

疑う余地のないことだが、テスラを自動車株と見るのは既に非現実的だ。テスラの2019年の納車台数はトヨタの3%だが、時価総額はトヨタと同規模、ゼネラルモーターズとフォードの合計のさらに2倍だ。同じ新エネルギー車メーカーの「比亜迪(BYD)」と比較しても2014年から2019年第1四半期までの納車台数は同程度ながら、テスラの株価はBYDの6倍もある。

しかし、テスラは従来の自動車メーカーとは大きく異なると反論する人もいる。まず、粗利益率18%はフォードの1.8%、GMの9.3%を大きく上回っており、製造業というよりもテクノロジー企業に近い。次に、テスラは技術を大量に蓄積しており、バッテリー管理特許は全体の約60%だ。ここは消費者が電気自動車への乗り換えを検討する時にまず考える航続可能距離に直結する部分だ。最後に、テスラのFOTA(車載機器などのファームウェアを無線通信により配布・更新すること)は、テスラの減価償却率を従来車よりはるかに低くした。

テスラがテクノロジー企業ならば、その市場価値は株価収益率だけでなく成長性で計られる。テスラが第二のアップルになるチャンスがあると信じる投資家さえいる。アップルがスマホメーカーにすぎないならば、時価総額1兆ドルなどあり得ないのだ。

テスラの利益モデルの多くはサービスに重点を置くようになりつつある。

2019年末時点で、世界中に1804カ所あるスーパーチャージャーステーションと1万5911基あるスーパーチャージャーは無料サービスから課金サービスへと移行している。また同社の太陽光パネル機能付きスレート「Solar Roof(ソーラールーフ)」を利用して充電するなど、ガソリンスタンドの運営に近くなっている。

テスラ車には月10ドル(約1100円)でリアルタイムのトラフィックデータを入手したり、動画、映画、音楽、エンターテイメントを楽しめるサービスもある。

さらに2020年末までに100万台の自動運転タクシーの運用を目指しており、将来的には自動車販売を停止して、リースやモビリティシェアサービスに切り替えることを明らかにしている。このスケジュールは遅れる可能性もあるとはいえ、全自動車メーカーにおけるテスラの優勢は変わらない。すでに各車両のハードウェアは準備ができており、ソフトウェアのアップグレードを待つのみだ。

サービスの基盤は電気自動車というハードウェアであり、その電気自動車は技術の蓄積があってこそ強みを発揮できる。テスラは2015年に売上高の18%を研究開発費に充てた。この割合は徐々に減って2019年第4四半期は4.7%だったが、バッテリー管理、エネルギー貯蔵、原料、オートメーション生産など各方面に十分な技術の備蓄がある。テスラは円筒形バッテリーセルの自社生産開始など工業化促進にコストを振り分けている。テクノロジー企業が技術発展によって急速な成長の機会をものにする、テスラはその一例だ。

このビジネスモデルは広く理解を得ているとはいえ、テスラがどのようにアップルの規模まで成長できるかはまた別の問題だ。2019年末時点で、テスラのフリーキャッシュフローは10億1000万ドル(約1100億ドル)だった。RBCキャピタルマーケッツのアナリストJoseph Spak氏の分析によると、米国を代表する株価指数の一つ「S&P500」にリストアップされている銘柄のうち、10億ドルのフリーキャッシュフローを基に10年連続で30%成長できた企業は3社しかないという。すなわちアップル、アマゾン、グーグルの親会社「アルファベット(Alphabet Inc.)」だ。言い換えれば、現在の成長率を維持すること自体が奇跡なのだ。

「バリュエーション学部長」との異名を持つニューヨーク大学教授アスワス・ダモダラン氏によると、テスラが株価900ドル(約10万円)を維持するには、フォルクスワーゲンレベルの売上高とアップルの利益率が必要だという。この一見不可能な奇跡とテスラとの距離はどれくらいだろうか。

※アイキャッチ画像はunsplash.comより
(翻訳・永野倫子)

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