ファーウェイが独自アプリエコシステム「HMS」を搭載したスマホを発表、海外市場での挽回なるか

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ファーウェイのサブブランド「Honor(栄耀)」は25日(北京時間)、ファーウェイ独自のエコシステム「HMS(ファーウェイ・モバイル・サービス)」を搭載したスマートフォン「Honor V30 Pro」と「Honor 9X Pro」を発表した。ファーウェイ独自のアプリストア「AppGallery」もプリインストールされている。

両機種には検索やアプリへのクイックアクセスをサポートする「HUAWEI Assistant」も搭載されている。SmartCare機能で150以上のスポーツイベントや株式市場の情報を見られるほか、天気やデータ使用状況を確認できる。

ファーウェイがスペインで開催したこの新製品発表会で、同社コンシューマー向け端末事業グループのリチャード・ユー(余承東)CEOはアプリ開発プラットフォーム「HMS Core 4.0」とAppGalleryを発表。さらに10億ドル(約1100億円)を投じて開発者を支援し、HMSエコシステムを強化する「Shining-Star(耀星)」プロジェクトを展開して、年内に世界100カ所以上で関連イベントを行うことを明らかにした。

米政府による事実上の輸出規制を受けて、ファーウェイは海外市場で窮地に立たされている。グーグルのGMS(グーグル・モバイル・サービス)を利用できなくなったことで、海外ユーザーの間に懸念が広まったためだ。ファーウェイはHMSを海外でも普及させることで、グーグルサービスに対抗し海外市場での挽回を図りたい考えだ。

今回Honorが発表したの2機種はすでに中国国内で発表されているが、国内版に搭載されているのはAndoidをベースとした独自OS「EMUI」だ。ファーウェイが自社開発した「Harmony OS(鴻蒙OS)」を搭載した最初の製品がHonorのスマートテレビだったように、ファーウェイの中でHonorはテストケースとしての役割を担っている。

Honor V30 Proは5G対応プロセッサ「Kirin 990」を採用、急速充電に対応しているほか、4000万画素のメインカメラを含むトリプルカメラ搭載で、まずロシアで発売される。Honor 9X Proはミドルレンジ機種で、海外販売価格は6GB+256GBモデルが249ユーロ(約3万円)。3月からフランス、ドイツ、オランダ、エジプト、サウジアラビア、マレーシアなどで発売される。

Honorはさらに薄型ノートPC「MagicBook 14/15」、ワイヤレスイヤホン「Flypods 3」、スマートウオッチ「MagicWatch 2」などのIoTデバイスを一挙にリリースした。特筆すべきは、Honorが海外でPC製品をリリースするのは今回が初めてのことであり、海外市場でIoTエコシステムの構築を着々と進めている様子がうかがい知れる。

ファーウェイのエコシステムの中でIoTデバイスが担う役割はますます重要度を増している。新製品発表会でリチャード・ユーCEOも、「1+8+N」戦略が今後5~10年を見据えた長期戦略であることを明らかにした。将来的にはファーウェイのコンシューマー向け事業の売上高のうち、IoTデバイスの比率を30%にまで引き上げたいとのことだ。
※画像はHonor公式サイトより
(翻訳・畠中裕子)

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