特集注目記事

自動運転の安全性評価はバイドゥが最上位、米加州2019年度自動運転報告書を発表

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

2月27日、米国カリフォルニア州車両管理局(DMV)は2019年度自動運転解除レポート(Autonomous Vehicle Disengagement Reports)を発表した。このレポートには走行試験を実施した会社の過去1年に行われた公道走行試験の距離と自動運転解除回数が含まれており、それらのデータは2015年から毎年DMVへの提出が義務付けられている。自動運転解除(disengagement)とは、自動運転システムの故障等もしくは走行の安全性の観点から、人間による運転へ切り替えなければならない状況をいう。

2019年度の自動運転解除レポートによると、現在64社が人間が同乗した上で、カリフォルニア州の公道で自動運転試験を行うことができる。さらに、グーグルの親会社であるAlphabet(アルファベット)傘下の自動運転車研究開発企業「Waymo(ウェイモ)」は、人間の同乗なしでカリフォルニア州での公道走行試験が可能だという。2018年12月1日から2019年11月30日までの間に、36社がカリフォルニア州で計288万マイルの自動運転公道走行試験を行い、その距離は前年度より80万マイル増となった。

上記走行試験の各社の結果を見ると、Waymoは145万マイルをの試験を行い、1000マイル毎の自動運転解除回数は0.076回で、2018年度の0.09回より若干下がっている。ゼネラル・モーターズ傘下の自動運転開発会社である「クルーズ(Cruise)」は、83.1万マイルの試験を行い、1000マイル毎の自動運転解除回数は0.082回で、2018年度の0.19回より大幅に下がった。米自動運転スタートアップの「Nuro(ニューロ) 」は走行試験距離が6.876万マイルで、1000マイル毎の自動運転解除回数が0.49回。また、同じ米自動運転スタートアップの「オーロラ(Aurora)」は試験距離が1.34万マイルで、1000マイル毎の自動運転解除回数が10.6回となっており、2018年度のデータとほぼ同等である。

中国企業の中では、IT大手の「百度(バイドゥ)」が10.83万マイルの走行試験を行い、1000マイル毎の自動運転解除回数が0.055回で、Waymoより低くなっている。中国の自動運転スタートアップ「AutoX」は3.2万マイルの試験を行い、1000マイル毎の自動運転解除回数が0.094回。同じ自動運転スタートアップの「小馬智行(Pony.ai)」は、17.48万マイルの走行試験を行い、1000マイル毎の自動運転解除回数が0.154回。また、中国配車サービス大手の「Didi(滴滴出行)」、中国自動運転スタートアップの「Weride(ウィーライド)」と「智加科技(PlusAI)」の走行試験距離と1000マイル毎の自動運転解除回数がそれぞれ、1.17万マイルと0.682回、5917マイルと6.591回、および1880マイルと1.064回だった。

注意すべきなのは、このレポートは各社が自主集計と報告したデータを取りまとめたものであり、それぞれの会社の自動運転解除基準が統一できていないため、DMVでも各社のデータの正確性の検証ができない点だ。安全性重視で保守的な企業は、解除回数も多くなるが、比較的アグレッシブな企業は解除回数も少なくなっている。

また、各社が試験を実施した公道の状況は異なっており、高速道路または人口が少ない郊外での走行試験は、大都市の繁華街より流れがスムーズであるため、自動運転解除回数も少ない。更に、見栄えのよいレポートを提出するために、複雑な道路状況での試験は他の州で行い、カリフォルニア州では簡単な道路状況のみの走行試験を行う企業がある可能性も排除できない。

実際に、自動運転開発企業としては、ある程度自動運転解除の発生を望んでいる節もある。解除が発生する場合は、機械が解決できないケースが発生したことを意味する。このようなケースは企業にとって大変貴重なチャンスであり、アルゴリズムのアップグレードや自動運転システムの安定性と安全性を向上させる好機なのだ。

現在、WaymoやCruise等の多くの企業は、DMVのレポートは自動運転技術の成熟度を測る基準ではなく、各社の技術レベルを比較する根拠にもならないとしている。しかし、多くの欠点があったとしても、このレポートは目下全米自動車業界の最もオープンな定量化された評価基準の一つである。

WaymoはTwitterの公式アカウントで、DMVのレポートは自動運転企業の競争力を評価できないと発表した

DMVのレポートの価値に疑問を持つ自動運転企業は、別の手段で一般向けに技術の進展を披露する機会が必要である。例えばメディアと一般市民を試乗に参加させるなどの試みが考えられる。しかし、レポートも試乗も結局真相の一部にすぎず、隠された部分を掘り起こさなければ、業界の全貌を知ることは不可能だろう。

(トップ画像はpexels.comより)

(翻訳:小六)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録