通院不要 移動式CT検診車で早期診断、感染症に挑む医療テック

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新型コロナウイルス肺炎の発生以来、早い段階から多くの企業が感染症との戦いに加わり、医療用物資や医療設備を提供してきた。

感染症対策に活用される移動式CT検診車

新型肺炎の診断においてCT検査は特に重要であり、CT画像の診断結果は「臨床診断症例」の判断根拠となっている。

感染症対策として重要なことは、いかにして他者への伝染を防ぎつつCT検査を行い、リソースが不足している病院でも正確な画像を取得するかだ。このために必要なのは、より安全な診療と隔離されたスペースを確保することであり、その解決策として移動式CT検診車が用いられている。

武漢方艙医院(新型コロナウイルスによる肺炎の軽症患者を受け入れる臨時医療施設)を支援する「平安医療保険科技(Ping An Health Connect)」の健康検査センターの移動式CT検診車(以下、「平安移動CT検診車」)は、鮮明な胸部CT画像を撮影することができ、新型肺炎の早期診断に役立っている。平安移動CT検診車は、すでに方艙医院の軽症患者800人近くに胸部CT検査を行った。

平安移動CT検診車は主にCT検査システム、放射線防護車両、スマート画像クラウドシステム、5G通信モジュールなどから構成されている。また電気供給、エアコン、車両のバランス、昇降などのシステムを備え、心電図モニター、AEDなどの医療設備を搭載することも可能で、カスタマイズされた移動診療ユニットを形成することができる。

更に重要なのはCT検診車は移動式のため、患者が1カ所に集中することで起こる交差感染を避けることができる。医療現場においてCT検査設備の不足を解決し、隔離地域における患者の胸部CT検査を早期に行い、医療スタッフがいち早く病状を発見できるようサポートを行う。

感染症対策の前線にいる医師の負担を軽減するため、平安移動CT検診車は独自開発のスマート診断システム「平安好影像」を搭載している。この仕組みは医師が精細なCT画像をクラウドへアップロードすると、別の医師がリモートでCT画像の診断をサポートするというものだ。

医療テクノロジーで感染症に挑む

CT検診車以外にも、感染症との戦いの中で多くの「新しいテクノロジー」が一般にも知られるようになった。オンライン診療、リモートトレーニング、リモート画像診断、AIによる読影および診断、医療用ロボットなどが次々と感染症との戦いに加わっており、これらは医療テクノロジーの結晶と言える。

平安健康検査センターも、様々な場面で必要とされる医療技術を提供している。

平安健康検査センター所属の武漢平安好医医学検査実験室は、湖北省でPCR検査を行う最初の第三者機関に指定され、2月2日から現在までに4000以上の検体の検査を完了している。

医療現場におけるリソースが不足している現状に対して、平安医療保険科技は国家衛生健康委員会継続教育センターをサポートし、30万カ所を超える医療機関の120万人あまりの医療スタッフに対して、オンラインによる基礎レベルの感染症対策トレーニングを提供した。

新型肺炎の流行に伴い、接触による感染を防ぐため、中国各地の行政部門は窓口業務を相次いで停止した。市民の行政サービスに対するニーズを満たしながらも、人が集まって感染が広がるリスクを防ぐため、平安医療保険科技は青島医療保障局に対して「非接触、非対面」の手続きサービスを提供している。医療保障を利用したい人は「健康サービスセンター」アプリをダウンロードし、指示に従ってオンラインで資料を提出すれば、通常通り医療保障を利用した外来診療を受けられる。

感染症対策の過程において、医療テクノロジーを利用したサービスシステムは様々な場面におけるニーズを満たし、社会への貢献度も高い。平安医療保険科技はその1つのケースに過ぎない。多くの企業がテクノロジーの力によって、この感染症との戦いの中で重要な役割を果たしている。

移動式医療の加速的普及

新型肺炎の流行によって医療・健康に関するニッチな領域が注目を集め、新しい発展の契機を迎えている。地域による医療機関の偏りを緩和するための移動式医療もそのうちの1つである。

SARSの流行でオンラインショッピングの習慣が定着したように、今回の新型肺炎の流行で移動式医療が大いに前進し、オンラインやリモートなどの効率の高さと優位性が一般にも認められるようになった。

基本的なヘルスケアサービスが不足している状況において、移動式医療は重要な役割を果たすことができる。

例えば、平安健康検査センターの移動式CT検診車は、深刻な感染症の検査を行う以外に、その可搬性と機動力によって、地域コミュニティや街レベルの現場にも向かうことが出来る。

移動式医療サービスシステムは各地域の医療機関に強力なサポートを提供し、市場拡大のチャンスを迎えている。新型肺炎の流行は一時的なものだが、医療改革政策の徹底と技術の普及によって、将来的には移動式医療をはじめとするテクノロジーが急成長し、普段の医療環境もより便利になるに違いない。
(翻訳・普洱)

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