中国検索大手「捜狗」、2019年の売上高は1200億円 医療テックなど新たな収益源を模索

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検索エンジンや中国語入力サービスを手がける中国企業「捜狗(Sogou)」が9日(北京時間)、2019年第4四半期(10~12月)および通期決算(1~12月)を発表した。

同社の2019年の売上高は前年比4%増の11億7000万ドル(約1200億円)、第4四半期の売上高は前年同期比1%増の3億100万ドル(約310億円)で、市場予想とほぼ同等だった。

通年の株主に帰属する純利益は米国会計基準(GAAP)で前年比9.8%減の8900万ドル(約93億円)、第4四半期は前年同期比33%増の3500万ドル(約37億円)だった。非GAPP指標では通年で前年比19.2%減の1億500万ドル(約110億円)、第4四半期は前年同期比44%増の3900万ドル(約41億円)で、市場予想の3300万ドル(約35億円)を上回った。

事業別にみると、主力事業の検索エンジンおよび検索関連事業の第4四半期の売上高が全体の91.2%を占め、前年同期比1%減の2億7500万ドル(約290億円)だった。同事業では入札形式のクリック報酬型広告サービスの売上高が88.2%を占め、前年同期の84.8%からさらに伸びている。

その他事業の第4四半期の売上高は前年同期比26%増の2640万ドル(約28億円)で、スマートハードウェアの販売が伸びをけん引した。捜狗は昨年12月、AIレコーダーの新機種「C1 Pro」を大手ECサイトで発売した。また、中国語入力サービス「Sogou Mobile Keyboard」のDAU(デイリーアクティブユーザー)が同9%増の4億6400万人に達し、1日当たり8億200万件のリクエストを処理している。

コスト面では、第4四半期の収益コストは前年同期比9%減の1億6900万ドル(約180億円)だった。そのうちトラフィック獲得コスト(TAC)が前年同期比14%減の1億2900万ドル(約135億円)で総売上高の42.8%を占め、前年同期の50.3%からは下がっている。スマートハードウェアの販売増と集客コスト減の影響により、今四半期の売上総利益は同18%増の1億3200万ドル(約140億円)にまで伸びた。

費用面では、第4四半期の営業費は前年同期比4%減の9500万ドル(約100億円)だった。そのうち研究・開発費が同1%減の4900万ドル(約50億円)で、総売上高の16.2%を占めた。

2020年第1四半期(1~3月期)の売上高は前年同期比3~5%減の2億4000万~2億6000万ドル(約250億~270億円)と予想されている。収益源が一つの事業に集中する現状を打開し、その他の事業でどれだけ収益を高められるかに今後の成長がかかっている。同社の王小川CEOは今年2月に発売したAIレコーダー2機種や年内に発売予定の新製品に触れ、ハードウェア製品による売上高が全体の10%近くを占めるまでに伸びると予想している。

企業情報を収録する中国の公共データベース「天眼査」によると、オンライン医療サービス「春雨医生(Chunyu Doctor)」の運営会社「春雨天下軟件(Chunyu Software)」の新株主として、捜狗の運営会社「捜狗信息服務(Sogou Information Service)」の名が最近になって加えられた。捜狗信息服務の持株比率は6.39%になる。これについて捜狗は、「より権威ある医療関連情報サービスをユーザーに届けるため、これまでメディテック分野への進出について検討を重ねてきた」と説明している。同社は医療関連情報に特化した検索サービス「捜狗明医(mingyi.sogou.com)」をはじめ、複数のAI医療事業を立ち上げている。
(翻訳・愛玉)

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