STEM教育プロバイダー「鯨魚機器人(Whales Bot)」、1万円以下の教育ロボットで学校へ普及

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

STEM教育プロバイダー「鯨魚機器人(Whales Bot)」、1万円以下の教育ロボットで学校へ普及

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

「STEM(科学・技術・工学・数学)」教育の総合サービス・プロバイダー「鯨魚機器人(Whales Bot)」が新シリーズでの資金調達を完了した。リードインベスターは「普維資本(Providence Equity Partners)」。Whales Botが設立2年間で4回目の資金調達となり、調達総額は1億元(約15億円)となった。調達した資金はコンシューマー事業と商品に係る技術開発に使用する予定。

Whales Botは2018年に設立され、主要事業は、教育ロボット「Whales Bot」シリーズと、オンライン学習コンテンツプラットフォーム「海平面(ocean level)」、グローバル青少年AI普及イベント「ENJOY AI」の3つである。スマートロボットは3才から18才までのユーザーをターゲットとし、操作の難易度によりプロダクトラインを分類している。また、ENJOY AIコンテストは教育成果の発表の場として、参加者数、開催回数、およびメディア影響力の3つの角度から専門性の高いイベントの開催を目指す。

消費者向けロボットの普及と科学技術恐怖症の解消

同社の担当者によると、中国国内の消費者向け教育ロボットの平均販売価格は約数千元(約数万円)で、一般家庭の消費水準を超えているという。それに対し、同社の商品は最低販売価格を500元(約7500円)未満に抑えている。これまでの商品開発の経験に基づき、コストパフォーマンスが優れたコンシューマー用ロボット商品を打ち出し、薄利多売の戦略で市場に参入しており、現在の利益率は業界水準を大幅に下回るという。

同社は政府や企業向け業務も開拓している。政府向けは経済的に裕福な江蘇省、浙江省、上海市等の地域が中心だ。これらの地域は積極的に先端的教育への取り組みを推進しており、同社は地域内の公立学校向けに、Whales Botシリーズのソフト・ハードウェアに基づくAIスマートラボシステム・ソリューションを提供し、ハードウェアの設置、教師のトレーニング、資格認定などを行う。現在、約2000校でサービスを展開している。

企業向け業務については、K12(幼稚園から高校まで)とSTEAM(STEMに芸術教育を加える)機関向け、Whales Botシリーズ製品、レッスンおよびレベル認定に関するソリューションを提供する。現在、3000社以上の教育企業にサービス提供をしているという。また、同社はIT大手のバイドゥ(百度)傘下の「百度智能雲(Baidu Cloud)」と踏み込んだ提携をしている。バイドゥのアルゴリズムチームのサポートを受け、ユーザーはバイドゥエコシステムのハードウェアで、Whales Botシリーズのロボットを操作することができ、より完全なAI製品の使用体験が得られる。

百度との連携で人間とロボット間のインタラクションを進歩させる

人間とロボット間のインタラクションおよびコンテキストアウェアネスがスマート製品設計時の最も重要なポイントの一つである。現在、業界では、ロボットはセンサーによりユーザーのジェスチャー、音声、表情を認識してインタラクションをするようになっている。子供向けスマートロボットは、成人の発音習慣に基づいて開発することが合理的ではないため、今後、子供の音声データベースの構築が必要である。また、5Gテクノロジーの普及もクラウドでのアルゴリズムの実行を可能にし、消費者向けロボット製品のアルゴリズムモジュールを省略し、センサーと実行ユニットのみを残すことで、ユーザーエクスペリエンスが向上できる。

教育シーンでより多く使われるために、スマートロボットはオープンシステムでの利用に適応していく必要がある。現在のものはクローズドシステムにおける計算の安定性は非常に高いが、オープンシステムでは、多くの要素がプロセッサーの計算結果に影響してしまう。Whales Botはバイドゥの技術チームと連携し、アルゴリズムの最適化を積極的に開発する予定だという。

(翻訳:小六)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録