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中国の新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」が2日、監査で粉飾決算を指摘されたと公表した。これを受けて創業者の陸正耀董事長は5日、SNS「微信(WeChat)」を通じて声明を発表している。
瑞幸咖啡は2019会計年度(1~12月)の財務諸表において、第2四半期から第4四半期の間に架空取引により総額22億元(約330億円)を不正に計上、また同期間に一部の経費や費用を大幅に水増ししたと監査で指摘されている。同社取締役会は特別委員会を設置して内部調査を行っている。
5日、陸董事長がWeChatに長文を投稿して騒動について謝罪した。「わたし個人としては非常に恥ずかしく、心が痛みまた自分自身を責めている。今後、特別委員会がどのような最終調査結果を出そうとも、相応の責任を取りたい」と綴っている。
同社が粉飾決算を認めたとのニュースが伝えられた翌日から、瑞幸咖啡のアプリやミニプログラムが使用不能状態になっており、運営状態が悪化しているとの憶測も出ている。これについて、陸氏は投稿で「全国の数千店舗、および数万人の従業員とも問題なく営業を続けている」と説明した。
投稿文ではこのような事態を招いた主な原因についても初めて言及された。
「設立以来2年間、弊社はあまりにも先を急ぎ過ぎて多くの問題を引き起こし、結果的に派手に転倒してしまった。董事長として言い逃れはできず、全損失を挽回することに尽力したい」と述べている。
この投稿にはアリババ傘下生鮮スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」の侯毅董事長がコメントを寄せ、「今日のこうした問題は、中国の投資市場に普遍的にみられる軽率さや過熱ぶりが引き起こしたものだ。瑞幸咖啡の騒動はベンチャーキャピタル業界に一つの教訓を与えたことだろう。小売りの基本ルールに背き、資金力に乗じて成功を急げばそのリスクは巨大になるということを」と指摘した。
侯氏によると、生鮮小売業界も同じような問題を抱えている。同氏は「現在、オンラインで注文を受けて商品の宅配を行う生鮮スーパーが多く存在するが、そのいずれも基本的な収益モデルを築いていない。資金力に任せて客数を伸ばしはするが、一旦ブームが去れば一気に落ち目になる。各社とももっと小売りの本質に立ち返るべきで、確固たるシステムによって運営効率を上げ、コストコントロールを行うべきだ。昨年の生鮮EC業界で事業に行き詰った企業が続出したことがこれを証明している」と論じた。
しかし、今回の瑞幸咖啡による不正決算は金額がケタ違いの悪質なもので、影響を及ぼす範囲も広い。瑞幸咖啡および関連会社の時価総額が大暴落しただけでなく、これまで瑞幸咖啡に出資してきたVCも損害を被っている。
資本市場で中国概念株(収益源を国内に持ちながら海外で上場している中国企業の株式)全体に対して是非が問われる事態になれば、さらに深刻な問題だ。中国概念株の信用は重大な危機に瀕している。米国での上場を計画中の企業にも影響が及ぶだろう。瑞幸咖啡に留まらず、これまでも複数の中国概念株で粉飾決算が発覚し、その結果はいずれも株価の暴落や巨額の損失に終わっている。
(翻訳・愛玉)
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