テンセント、ゲーム実況配信の「虎牙」を子会社化 競合「闘魚」との合併進むか

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テンセント、ゲーム実況配信の「虎牙」を子会社化 競合「闘魚」との合併進むか

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4月3日夜、ゲームライブ配信プラットフォームの「虎牙(Huya)」の公告によると、テンセントは株式引受権を行使し、2.626億ドル(約290億円)で虎牙のB株(中国国内で外貨で取引される株式)16,523,819株を取得。これにより、テンセントは50.1%の議決権を保有し同社の筆頭株主になった。

テンセントは他のゲームライブ配信プラットフォームである「闘魚(Douyu)」の筆頭株主でもあり、今後虎牙と闘魚の合併を進めていくものと思われる。合併が両社にとって有利なのは明らかだが、これまではテンセントに虎牙の支配権がないために合併は遅々として進んでいなかった。しかし、今回の買収によって、合併に青信号が灯ったことになる。

競争の結果としての合併

ゲームライブ配信の競争が2014年から激化して以来、テンセントは多角的な戦略を展開してきた。自社のゲームライブ配信プラットフォーム「企鵝電競」を立ち上げると同時に、外部のプラットフォームにも目をつけ、競争で生き残った虎牙と闘魚を買収した。この2社はともにIPOに成功し、投資家にとって最高の結果となった。

しかし、テンセントの戦略はこれで完了するわけではない。闘魚と虎牙が合併することこそが、テンセントにとって最も望ましい結末である。ゲームライブ配信をめぐる競争はあまりにもハイコストだからだ。

闘魚と虎牙の間では人気配信者の引き抜き合戦で巨額の資金が費やされ、法廷闘争に発展するケースもあった。テンセントの主導によって合併することができれば、少なくともこうした消耗戦によるコストは一気に減るだろう。

利点はそれだけではない。ゲームライブ配信には、すでに闘魚、虎牙以外のライバルが出現しており、テンセントもそれに対応する必要があるのだ。

新たな脅威

新たなライバルとして浮上したのは、これまではゲームライブ配信を主要業務としてこなかった他の動画プラットフォームである。

ショート動画の「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」が2019年7月15日に公表したデータによると、ゲームライブ配信のDAU(日間アクティブユーザー数)は3500万、ゲーム動画のDAUは5600万に達したという。同年6月5日のデータによれば、闘魚と虎牙を合わせてもDAUは2600万しかなく、この時点で快手に負けているのである。

さらに、同年12月10日の快手の公式発表によると、ゲームライブ配信のDAUは5100万に達し、差がさらに広がった格好だ。

快手はまた、2019年に人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会決勝戦をライブ配信し、延べ7400万人がそれを視聴した。そして2020年1月には、ついにテンセントが運営するゲーム「王者栄耀」のプロ大会の配信権をも取得した。

ライバルは快手だけではない。サブカルコンテンツに強い動画サイトの「ビリビリ動画(bilibili)」は、2019年12月にリーグ・オブ・レジェンドと3年間の中国本土独占ライブ配信契約を結んだと発表。契約金額は8億元(約120億円)に上るとされる。ショート動画の「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」はゲーム関連動画にもっとも多くの広告を出しており、2018年の統計では、抖音の動画に出る広告の内、ゲーム関連動画に出される広告の比率が34.48%に上るという。その親会社である「字節跳動(バイトダンス、Bytedance)」は中国最大のカジュアルゲームパブリッシャーに成長し、特に今年の春節期間は無料ゲームランキングトップ10に6作、トップ5に4作をランキング入りさせるほど勢いに乗っている。同社はまた上海、北京、深圳、杭州に1000人規模の開発チームを立ち上げ、大型ゲームの自社開発に取り組んでいる。

一方のテンセントを見ると、闘魚と虎牙に出資したにもかかわらず、両社がともに自社の売上向上に固執しているため、テンセントのゲームとの間に相乗効果はあまり出ていない。合併が順調に行けば、テンセントともより戦略的な協力が可能となり、外部のライバルと戦えるようになるだろう。

(翻訳:小六)

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