アリババの低価格EC「淘宝特価版」、中小メーカーの対外輸出から国内販売への転換を後押し

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消費者とメーカーを直接結ぶC2M(Customer-to-Manufactory)分野の競争が日増しに白熱化している。

C2Mによるカスタマイズ商品をメインに供給するタオバオ(淘宝)系のモバイルアプリ「淘宝特価版」は4月14日、対外貿易を手掛ける中国国内の工場の国内販売へ転換を支援する10項目の方針を発表した。これはアリババの「春雷計画(アリババのデジタルリソースを活用した中小企業への支援)」の一環だ。

淘宝特価版は、アリババが最近ローンチした工場直営店に重点を置いたECプラットフォームで、中小メーカーによるノーブランド商品が大部分を占める。淘宝特価版はタオバオ系ECによるC2M分野への最初の進出となる。

新型コロナウイルスの感染流行により、対外貿易企業の工場の多くは生産を停止せざるを得ず、大量の注文を失った。その後、新型コロナウイルスの流行が世界中に広がり、多くの欧米の顧客が注文をキャンセルしたため、現在、対外貿易企業は仕事がないという苦境に直面している。

しかしアリババにとっては、これはまたとないチャンスだ。2003年のSARS、2008年のリーマンショックの際に発生した輸出低迷から国内販売への転換の流れに乗って、アリババ系のECは大きく発展してきた。その頃と異なるのは、アリババのエコシステムが当時より明らかに充実していることだ。

アリババは対外貿易企業が淘宝特価版にショップを開設するのをサポートするだけでなく、対外貿易企業のデジタル化へのモデルチェンジもサポートする。デジタル化支援の目的には、対外貿易企業が消費者のニーズに応じた受注生産能力を高めることだけでなく、これらの企業がサプライチェーン改善のために「アリババクラウド(阿里雲)」を利用する顧客となってくれることも含まれている。この機会を利用してクラウドサービスの顧客を開拓するほかに、傘下の物流プラットフォーム「菜鳥網絡(Cainiao Network)」、ネット銀行「網商銀行(MyBank)」のサービス範囲を拡大し、より多くの企業をアリババの「経済圏」に取り込んで行くことを目指している。

アリババが打ち出したこれらの施策は、タオバオのC2M事業部が担当している。対外貿易企業は生き残りをかけて国内販売への転換を急いでいるが、一方でタオバオ系のECプラットフォームは成長のため、C2Mのマーケットニーズを狙っている。アリババはすでに豊富な工場リソースと膨大なアクセス数を持っており、アリババクラウドサービスを通じて、対外貿易企業にサプライチェーンの再統合とカスタマイズ商品の生産を働きかけていく。多くの対外貿易企業にとって今必要なのは注文であり、一方アリババは膨大なトラフィックを有している。この両者が提携するのは不思議なことではない。

しかし、対外貿易企業にとって提携先はアリババだけとは限らない。ソーシャルEC大手「拼多多(Pinduoduo)」や、EC大手「京東(JD.com)」傘下のソーシャルコマースプラットフォーム「京喜」も対外貿易企業に注目しており、この機にC2M分野を発展させたい考えだ。拼多多は浙江省慈溪市や武漢市などの当局と戦略提携に合意し、独自のサプライチェーン開拓を行っている。京喜はプラットフォーム上に「工場出荷価格の輸出商品」販売ページを開設し、対外貿易企業へのサポートを打ち出している。

このような状況もあり、アリババにとってC2Mへの進出は急務だ。アリババの決算報告によると2019年末時点でタオバオの月間アクティブユーザー(MAU)は8億人を超えており、現在、中国のモバイルインターネットユーザー規模が約8億4700万人であることを考慮すると、タオバオのユーザー規模はすでにピークに達しつつある。

当初から地方都市をターゲットとし、C2Mをメインとしてきた拼多多の成長は極めて速く、月間のアクティブ購入者数では中国国内で第2位につけている。拼多多の発展にともなって、多くの出店者がタオバオから拼多多へ移行しつつあり、タオバオと拼多多のユーザー重複率が93.3%にまで上昇したことからも、アリババは危機感を持っている。C2Mへの進出は、アリババにとって、新しいユーザーを増やすだけではなく既存のユーザーを囲い込むという目的もある。
(翻訳・普洱)

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