人工関節手術にAIや3Dプリンターの活用へ 整形外科のデジタル化が加速

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人工関節手術にAIや3Dプリンターの活用へ 整形外科のデジタル化が加速

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整形外科向けのAIソリューションを開発・提供する「長木谷(changmugu)」がシリーズAで数千万元(約数億円)の資金調達を行ったことがわかった。リードインベスターは「中関村発展集団啓航投資(Zhongguancun Development Qihang Innovation Investment Fund)」で、「聯想之星(Legend Star)」、「以太投資(Ether)」、「万輝資本(Wanhui Capital)」など の既存株主も参加した。調達した資金はAI製品の開発、臨床試験の申請、製品の普及に使われるという。

長木谷は2018年に設立された整形外科向けAIソリューションに特化したハイテク企業である。現在すでにディープラーニングに基づく第4世代の関節置換術の3Dソリューションを開発している。このソリューションには関節置換システム、AIディープラーニングシステム、ナビゲーションシステム、3Dプリンタが含まれ、手術前のプランニングと術中の正確なナビゲーションによって、整形外科の手術の可視化と標準化を目指している。

同社が独自開発した股関節置換術AI支援システム「AI HIP」は現在、臨床試験を申請している段階だ。ジョンソン・エンド・ジョンソンとも戦略的に提携しており、人工関節システムの詳細情報の提供を受ける代わりに、長木谷がAIソリューションとナビゲーションシステムを提供する。この提携により、同社はジョンソン・エンド・ジョンソンの販売チャネルを活用することができる。

同社の張逸凌CEOによると、ジョンソン・エンド・ジョンソンの人工関節システムを搭載したAI HIPは、北京301医院、中日友好医院、北京大学第三医院、北京協和医院、烟台山医院、貴州省人民医院、重慶新橋医院など50以上の大型総合病院で臨床研究をしている最中だという。

中国では関節疾患の患者数は1.5億人に上り、最終的な治療方法としての人工関節置換術も急増しており、2018年は70万回弱であったが、毎年15%〜20%の速さで増えている。

その一方、股関節置換術などの手術は難易度が高く、経験の浅い医師では思ったような効果が得られないことがある。ベテランの医師でも、手術前に時間をかけて入念にプランニングをしなければならない。

AI HIPはこの課題を解決できるものだ。このシステムは手術前のAIプランニングと手術中のナビゲーションの2つに大別することができる。AIプランニングはCT画像によって3Dモデルを構築し、トップレベルの医師に近いプランニングをすることができる。さらに、患者の身体的特徴に合わせた器具を3Dプリンタで制作し、手術ナビゲーションと組み合わせることで、精度を高め、手術時間を短縮し、術後合併症の発生率を下げることができる。

今後、整形外科手術のデジタル化、スマート化がさらに進み、ナビゲーションシステムとロボットの使用が一般化することは間違いない。張CEOによると、長木谷は中国国内で比較的早くこの分野に進出しているが、まだ改善すべき点が多くある。中国には膨大な数の患者と複雑な症例があり、経験豊かな医師もいる。さらに医療資源の配分が全国的にアンバランスなため、医療を標準化できる技術に対するニーズも大きい。したがって、中国でこの分野のビジネスを展開することは非常に有望であり、今後先進国の大手企業と肩を並べるポテンシャルがあるという。(翻訳:小六)

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