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5月4日のロイターの報道によると、日産自動車は新しい3カ年計画において、欧州の比重を下げ、米国、中国、日本に焦点を絞る方針を発表する予定だという。この計画では、ディーラーとの関係修復やラインナップの刷新を図りつつ、価格決定力や利益率の改善を目標としている。
日産は昨年にすでに中期計画の売上目標を変更し、2022年の営業利益率を8%から6%に、売上高を16兆5000億円から14兆5000億円に下方修正した。先週には2019年度の通期の連結業績を下方修正し、11年ぶりの赤字となる可能性が強まった。
中国は切り札か
新しい3カ年計画期間において、日産は全力で赤字からの脱出を図るだろう。中国市場の重要度がより増してくるはずだ。
2019年、日産は中国で154万台を販売し、前年比1.1%減となったものの、市場全体の減少幅と比べれば小幅な減少に抑えた印象だ。しかし、日系自動車メーカー同士で比べると、日産の後退は明らかである。2019年以前、日産の中国での販売台数は、10年連続で日系自動車メーカートップだったが、2019年にはトヨタ、ホンダに抜かれ3位に後退。117万台を販売した現地合弁の「東風日産(Dongfeng Nissan)」は、販売台数の半分をシルフィ1車種に頼っており、高級モデルのインフィニティは伸び悩んでいる。十分な販売台数を見込めないため、新車種の投入も遅れている。
2020年年初、日産は中国での販売台数を前年よりわずかに高い160万台に設定したが、第1四半期の販売台数は目標の13%未満に留まった。その要因は新型コロナ禍だが、日産はこうした非常事態の最中でも長期の工場停止に踏み切ることなく、2月17日に広州工場を全面的に再開し、3日後に大連工場、3月15日に鄭州工場、そして感染がもっとも深刻だった湖北省にある襄陽工場でさえも3月下旬にすべての生産ラインを再開した。
こうした努力の甲斐があって、4月の販売台数は8.2万台となり、前年同期比で増加となった。日産は日本国内の生産台数を5月に70%、6月に43%削減するとの報道が出ているが、中国では逆に5月から生産台数を増やす予定だ。
日産の自助努力
日産はすでに昨年から自助努力を重ねている。その内容は、全世界で従業員を1.25万人削減し、2023年までに生産台数10%削減するなど、コスト抑制策が中心である。
5月28日に発表予定の新しい3カ年計画では、引き続きコスト抑制が中心となるはずで、世界全体での年間販売目標を100万台減らす可能性もある。しかし、それよりも、次の2つの課題を解決することが先決だ。
まず、アライアンスを組むパートナーとの関係である。カルロス・ゴーン事件の影響で、日産とルノーは一時アライアンス解消寸前まで関係が悪化した。新しい3カ年計画では三菱、ルノーと世界市場や技術面での協力をさらに強化することを打ち出そうとしているが、関係をどこまで修復できるかが重要になるだろう。
次に、世界各地の業務の再編である。日産は米、中、日に焦点を絞ると同時に、タイ、フィリピンでもさらなる成長を目指している、そのためには、インド、インドネシア、マレーシア、南アフリカ、ロシア、ブラジル、メキシコの各国に広がる工場の生産ラインを再編し、それぞれの市場の特徴に沿った生産体制を築くことが必要となるだろう。
2020年度初日の4月1日、日産の内田誠社長は従業員向けに、「一定期間の不便と不確実性に耐えなければならないが、この嵐に必ず耐え抜くことができる」と語った。しかし、嵐がいつまで続くのか、嵐が止む頃に日産はまだ生きているのかは、未知数だと言わざるを得ない。
(翻訳:小六)
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