医療機器B2Bネット通販プラットフォーム「貝登医療」、小規模病院を中心に勢力拡大

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医療機器B2Bプラットフォーム「貝登医療(VEDENG)」が、シリーズBで数億元(数十億円)を調達した。リードインベスターは「創新工場(Sinovation Ventures)」、財務アドバイザーは「易凱資本(CEC Capital)」が務めた。

近年、中国の医療機器業界は急速な成長期に入っており、政策と資本の二重の支援を受け、年平均成長率(CAGR)は20%を超えている。市場全体で医療機器メーカー1万5000社、販売業者18万社、100万カ所の医療機関を抱えている。

広大な市場空間はB2B企業の注目を集めている。その一つ、貝登医療はB2Bを主力業務とする企業だ。サプライチェーンをすべてデジタル化、オンライン化し、医療機器メーカーと販売業者と医療機関を結びつけ、よりコストパフォーマンスの高い医療機器流通経路を提供する。

貝登医療は、フロントのマーケティングから調達、物流、アフターサービスなどのミドルオフィス、バックの商品データベースまでカバーするデジタル基盤をほぼ確立している。 販売業者向けには「貝登商城」、民間医療機関向けには「医械購(医療機器購入)」といったサイトもローンチしており、基幹病院や民間医療機関97万院が同社プラットフォームを利用する。

写真は貝登医療のホームページ

中国の医療機器サプライチェーンは変革の最中にある。サプライチェーンの上流でも下流でも事業体は散在しており、中間流通の販売代理店のチャネルもまとまりがなく、縁故マーケティングに依存しているため、流通効率は非常に低い。これらの市場の問題点が、インターネットB2Bプラットフォームの参入を促した。

中国医療機器サプライチェーンの概要図(百度より)

また、薬価の高騰を抑制するための「二票制(医薬品の流通において複数の卸業者の介在を禁止する中国の制度)」が普及したことに加え、中国の医薬品経営品質管理規範が、代理店に対しては標準化と管理を、病院に向けては入札資格の厳格化を要求し、代理店の生存空間が大幅に圧縮されたことも医療機器B2BECプラットフォームの市場ニーズを押し上げた。

もともと工業製品のEC事業に従事していた「貝登集団」が、2015年に大きく方針転換して医療機器流通に参入したのは、業界のこうした背景による。

貝登医療と提携するブランドからも、同社のサプライチェーンの強みが見てとれる。2019年12月末時点で、貝登医療が提携しているのは中国の医療機器大手メーカー「萬端公司(マインドレイ・メディカル・インターナショナル)」や「魚躍医療(Yuyue medical)」、米国の「GEヘルスケア」や「3M(スリーエム)」など300社以上、SKUは2万を超えている。

貝登医療CEOの丁海波氏によれば、同社が主なターゲットとする二級以下の公立病院と民間医療機関はブルーオーシャン(競争相手のいない未開拓の市場)だ。現在、貝登医療は中国国内の300以上の地級市、2500以上の県や区の販売店1万社以上と提携している。また、2万院以上の私立病院や診療所、健康診断センター、インターネット医療とも直接取引がある。取引先は今や国境を越え、世界20以上の国や地域にまで拡大している。

競合プラットフォームと比較して貝登医療のユニークなところは、膨大な製品、製造業者、販売業者、医療機関の情報をデータベース化し、これらのデータに基づいて正確なマーケティングを実現しているところだ。例えば、メーカーや製品データの分析に基づいて、類似製品の販売実績、利用した販売代理店、販売した医療機関などの情報を顧客に提示することができる。

近年、貝登医療の売上高は急速に増加、売上総利益率も上昇を続け、黒字転換を達成した。過去数年間、独自の販売プラットフォームを運営する貝登医療は主に製品販売価格の差額から利益を得てきた。しかし、昨年頃から収益構造を調整し始め、マーケティングやプロモーション、アフターサービス、臨床サービス、倉庫保管、サプライチェーンファイナンスでの収益が上がってきている。

丁CEOは「今後、医療保険の管理費や病院の調達コストが低下する中、販売価格の差に頼ってばかりでは生き残れない。利益を出すにはサービスを重視すべきだ。我々は2018年からサプライチェーン全体でサービスを強化し、今後はサービスが主な収益源になることを希望する」と述べた。

貝登医療はこれまでに「遠毅資本(Marathon Venture Partners)」「東方富海(Oriental Fortune Capital)」「普華資本(Puhua Capital)」「天億集団(Tianyi Group)」傘下の「中衛基金(Zhongwei Fund)」「分享投資(Share Capital)」「鵬瑞集団(Parkland Group)」やエンジェル投資家の蔡景鐘氏などから何度も資金を調達している。
(翻訳・永野倫子)

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