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ソーシャルフィットネスアプリやフィットネスマシンなど手掛けるスポーツテック企業の「Keep」が、今年はじめにシリーズEで8000万ドル(約86億円)の資金調達を行ったことがわかった。リードインベスターは「時代資本(Jeneration Capital)」。コ・インベスターは同社株主の「紀源資本(GGV Capital)」、テンセント、「晨興資本(Morningside Venture Capital)」、「Bertelsmann Asia Investments」で、財務アドバイザーは「泰合資本(Taihecap)」が務めた。資金調達後の時価総額は10億ドル(約1000億円)を超え、中国のスポーツテック分野の初のユニコーン企業となった。
Keepはフィットネス愛好家の王寧氏が2014年末に設立した企業である。幅広い利用者向けの無料フィットネス講座、使いやすく高級感のあるUIなどで一躍人気を博した。当初アプリの提供のみを行っていたKeepは、登録ユーザー数が、サービス開始からわずか105日間で100万人を超え、設立から3年弱の2017年8月に1億人を超えた。
ユーザーを確保したKeepはその後オフライン展開を始めた。王寧氏は2018年に、「Keepは単なるフィットネスアプリではなく、ライフスタイルブランドである」と語り、同年に北京のショッピングモールにフィットネスクラブ「Keepland」を開設。さらに自宅での使用を見込んだスマートフィットネス器具ブランド「KeepKit」を立ち上げ、現在ランニングマシンとフィットネスバイクを販売している。
事業の多角化により、Keepはフィットネス講座中心から、フィットネスイベントの開催、商品販売、運動と健康情報など、フィットネスにかかわるサービスをワンストップで提供するようになった。今回の資金調達の主な目的は、多角化した事業の融合を行い、「フィットネス・ソリューション」を提供できるようにすることである。
同社の言うフィットネス・ソリューションは、商品を購入するだけで運動しないユーザーが多数いる現状を改善しようとするものである。フィットネスにかかわるコンテンツ、サービス、商品、さらにSNSなどを総動員し、フィットネスを日常的に楽しんでもらえるようにすることを目指す。
そのためには優良なコンテンツが不可欠であり、Keepは設立当初からこのことを重要視していた。はじめはPGC(Professionally Generated Contents、プロにより制作されたコンテンツ)を多数提供し、その後アプリのソーシャル機能を強化し、PUGC(Professional User Generated Contents、プロのユーザーにより制作されたコンテンツ)に注力してきた。今後は海外の優良なフィットネスコンテンツの導入を目指す。
2019年10月、Keepは経営効率向上のため、800人に上る従業員の10〜15%を削減し、同年のオンライン事業の売上高を286%、オフライン事業の売上高を300%成長させた。シリーズEの資金調達に成功したことは、同社の事業モデルが資本市場に高く評価されている証左といえる。
Keepの公式情報によると、現在Keepの登録ユーザー数は2億人を超え、ユーザーの行動データは36億件蓄積されている。同社は今後「フィットネス・ソリューション」という理念のもと、より多くのコンテンツと商品を提供し、フィットネスにかかわるすべてのサービスをワンストップで提供することを目指す。
(翻訳・小六)
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