シャオミVSファーウェイ スマートテレビ市場で勝つのはどちらか

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業編集部お勧め記事注目記事

シャオミVSファーウェイ スマートテレビ市場で勝つのはどちらか

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ファーウェイとシャオミの戦いが新しい段階に入ったようだ。

Redmiのブランドゼネラルマネージャーであり、シャオミグループの副総裁、中国エリア総裁でもある盧偉冰氏は先月26日、スマートテレビ「Xシリーズ」の販売価格を他社と同額とし、スペックでは全面的に他社を上回るものにすると宣言した。

同日夜、ファーウェイのサブブランド「Honor(栄耀)」は販売価格2299元(約3万5000円)のスマートテレビ「X1」55インチモデルに関して、618セール(6月18日を中心に開催される一連のECセールイベント)での割引価格を1699元(約2万5000円)にすると発表した。

翌27日の午前中、盧氏は宣言通りRedmiスマートテレビ「X」55インチモデルの618セールでの割引価格をHonorのX1と同じく1699元(約2万5000円)にすると発表し、1週間差で発表された両社のスマートテレビは発売後すぐに600元(約9000円)も値引きされることになった。

ファーウェイがテレビ市場に参入してから9カ月。以前シャオミとスマートフォン市場で激しい戦いを繰り広げたHonorがテレビ市場でもシャオミに価格競争を挑んでおり、今回はシャオミのサブブランドRedmiが応戦したかたちだ。

価格競争に出たHonorの狙いは

テレビ市場の競争の激しさはスマートフォン市場に劣らない。

市場調査企業「中怡康(China Market Monitor)」は618セールが上半期では唯一の景気回復のチャンスになるとみている。下半期、市場は徐々に回復するが、上半期に停滞していた影響で、中国市場における今年のテレビ販売台数は前年比7.2%減の4250万台になると予測している。

値引きは既存市場で販売数を増やすためによく取られる手段の一つだ。テレビ市場に参入して日が浅く、新商品の値下げが既存商品に影響することがないHonorにとっては当然の選択だろう。

Honorとファーウェイは昨年8月、9月と相次いでスマートディスプレイを発表し、正式にテレビ市場にも参入した。しかし、両ブランドのスマートテレビはSKUが少なく、全体的にミドルレンジ~ハイエンド寄りの位置づけで、販売台数でもシャオミへの脅威とはならなかった。

Honorとファーウェイの製品戦略に変化が現れたのは今年に入ってからだ。ファーウェイは引き続きミドルレンジ~ハイエンド市場に照準を合わせ、2万4999元(約37万5000円)の有機ELテレビ「X65」を発売し、Honorはローエンド市場の開拓を模索し始めた。

Honorはスマートテレビ「X1」55インチモデルの割引価格を1699元(約2万5000円)と同ブランドのスマートテレビ製品で最安値に設定。シャオミテレビの陣営に大胆に攻め込んだ。

迅速に販売台数を増やして一定の市場シェアを獲得したいファーウェイにとっては、魅力的な価格で消費者を引き付けるのが現時点では最善策だ。

RedmiとHonorのテレビ価格競争に関して、中怡康の高級研究経理を務める賀湘輝氏は、「非常事態においては、値下げで販売台数を確保することが必要になる。海外では新型コロナウイルスの影響が深刻で、どのメーカーも中国市場に目を向けるようになっている。またコロナウイルス流行は液晶メーカーを含む原材料サプライヤーにも影響を及ぼしており、サプライヤーも値下げすることで市場での活路を見出そうとしている。これがテレビメーカーの値下げ戦略に追い風となっている」と話した。

低価格、高コストパフォーマンス、自社開発のICチップなど、Honorはスマートフォン市場でシャオミに仕掛けて成功した作戦を再現しようとしている。

攻めのRedmi 守りのシャオミ

シャオミ側はスマートフォン市場と同じ轍をテレビ市場では踏みたくないところだ。

Redmiとシャオミの二本立て作戦がテレビ市場でも成功するかどうかは、Redmiというブランドの高コストパフォーマンスのテレビがシャオミと同じほどのシェアを獲得できるかにかかっている。さらに、シャオミがミドルレンジ~ハイエンド市場で受入れられるかが重要になってくる。

また、シャオミのテレビにはオフラインや海外市場における成長の可能性がある。

5月9日、シャオミは人事通達の中で、スマートテレビメーカー「暴風TV」の前CEO劉耀平氏がテレビ部門の総経理に就任したことを発表。劉氏は暴風TVの前にテレビメーカー「創維集団(SKYWORTH)」のカラーテレビ事業部副総裁を務めており、オンライン・オフライン市場ともに豊富な経験を持つ。

シャオミのテレビはこれまでオンラインを主な販売チャネルとしており、前述の中怡康のリポートの中でも、シャオミのオンラインでのテレビ販売台数はシェア28.8%でトップだが、オフラインではシェアわずか3.41%で10位以内にも入っていない。

このほか中国の市場リサーチ会社「奥維雲網(AVC)」のデータでは、シャオミのテレビの第1四半期出荷台数は278万台で、そのうち海外向けの出荷台数は71万台とシェア25.5%を占めている。シャオミのスマホの海外進出のルートに乗って、テレビも海外市場で大きく成長する余地がある。

とはいえスマートフォン同様、シャオミのテレビ戦略は国内市場を重視したものだ。劉氏の加入がシャオミテレビのブランド力や製品戦略に新しい変化をもたらすかどうかが注目される。

(アイキャッチ:Redmi公式サイト)

(翻訳・山口幸子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録