オンラインAI授業で英語と美術を一挙両得 子供向けエドテックの新しいかたち

36Kr Japan | 中国No.1スタートアップメディア日本版

中国最大のスタートアップメディア、36Krの日本版です。先端企業の技術開発、業務提携、ファイナンス状況など中国の「今」を現地から届けるとともに、日本人向けの解説などのオリジナル記事を発信します。36Kr日本版を見れば、中国が分かります。

スタートアップ注目記事

オンラインAI授業で英語と美術を一挙両得 子供向けエドテックの新しいかたち

続きを読む

外国人教師によるAI美術教育プラットフォーム「VIPidea」がこのほど、エンジェルラウンドで1000万元(約1億5000万円)クラスの資金調達に成功した。リードインベスターは「58産業基金(58 Chanye Jijin)」、コ・インベスターは「創新工場(Sinovation Ventures)」。今回の資金は主に技術と製品のアップグレード、CX(顧客体験)の最適化、教育およびIT人材の募集およびマーケティングに充てられる。

2019年7月創業のVIPideaは児童向けの美術と英語の教養教育を結びつけ、米国のK12(幼稚園児から高校生まで)美術教育体系をベースに、AIテクノロジーを利用した外国人教師のライブ式授業による4人1組の美術教育カリキュラムを打ち出した。主に3~8歳の児童を対象としており、すでに10万人近くの児童にサービスを提供している。

関連データによると、2023年に児童向けオンライン英語教育市場の規模は1000億元(約1兆5000億円)、また児童向け美術教育市場は300億元(約4500億円)を突破すると予想される。中国で80後(1980年以降生まれ)、90後(1990年以降生まれ)と呼ばれる新しい世代の保護者は我が子の美術能力をますます重視し始めている。VIPideaは、児童の創造力は培うものではなく内面から引き出すものだと考える。また絵画は美術教養教育の全てではなく、目的の一つでしかないという。

VIPideaは教育理念に米国のK12美術教育体系を取り入れており、カリキュラムは4ステップに分かれている。第一ステップでは著名画家の作品の鑑賞により審美眼を育み、第二ステップでは主要な美術流派と代表的画家の作風を学ぶ。さらに第三ステップでは複数の素材の運用能力を鍛え、最後の第四ステップでは創作能力を養うという具合だ。VIPideaのメンバーは、カリキュラムを通じて批判的思考力、審美リテラシー、創造力、表現力、英語のリスニング・スピーキング能力など五つの能力を子供たちに獲得してほしいと考えている。

画像提供:VIPidea

市場にすでに散見される大多数の美術教育機関と異なるのは、VIPideaが美術と英語の両方を教養教育として採用している点や、北米出身教師によるダイレクトメソッド、さらにはオリジナルアニメーションをAIゲームインタラクションに組み合わせているといった手法だ。カリキュラムでは没入型の英語学習環境を提供しながら、児童の学習興味や注意力も高めていく。このほか、美術+英語の二科目教養教育モデルは美術の日用性が低いという難点も解決している。現在、半数の生徒の保護者は主に英語の教養学習を主な目的としてカリキュラムを申し込んでいるという。

現在、VIPideaのカリキュラムは各ステップが六つのユニットに分かれており、各ユニットが12コマで合計72コマ、1コマあたり40分間となっている。カリキュラムの定価は2599元(約4万円)、共同購入割引価格が1999元(約3万円)、平均すると1コマ20元以下(約300円)という計算だ。

VIPideaの創業者兼CEOを務める劉博氏はこう説明する。「他のオンライン教育機関は生身の人間によるライブ授業方式を採用しているが、我々のものはAIを活用した北米出身教師のライブ式カリキュラム。テクノロジーで業界の長期的な弱点、つまり教師の確保および集客コストの高さという問題を解決している。AIテクノロジーの活用で、VIPideaの客単価の市場競争力はさらに増した。さらに、優れた製品体験と教育内容のおかげで、VIPideaの製品モデルは地方都市でも推進しやすい。カリキュラムを適正価格で提供することにより、優れた教育リソースを地方都市市場のユーザーにも広めていきたい」

劉氏はアニメや映画のCG・ウェブデザイン教育などを手掛ける教育機関「火星時代(HXSD)」の元創業メンバーであり、マーケティング、販売、製品、キャンパス運営などの業務を担当。10年以上のデザイン教育業界での実務経験を有し、教育市場に精通した人物だ。

前掲の創新工場のパートナーを務める張麗君氏はこう述べる。「2013年以降、教育オンライン化の発展には法則がみられる。テクノロジーの発展に伴い、1対1のライブ授業から始まり、大人数制・少人数制ライブ授業、さらにはAIを活用したインタラクティブ授業へと、オンラインカリキュラムはますます豊かになってきた。テクノロジーの活用は、ユーザー規模が相対的に大きく(成人や青少年向け)、オンライン化が相対的に容易な副次的領域から、ユーザー規模が相対的に小さく(幼児向け)、オンライン化が相対的に困難な領域へと広がっている。このため、我々は今後、教養型教育におけるAIインタラクティブカリキュラムがチャンスを迎えると予想する。VIPideaはまさに業界の発展トレンドにマッチしており、同社が参入した美術業界は教養型教育のうちオンライン化が相対的に容易な最大のジャンルだ。

創業メンバーはデジタルアートデザインの大手教育機関出身であり、ハイクオリティなアニメやインタラクティブコースウエアの制作、さらに子供の興味関心への深い理解といった面で独自のアドバンテージがあり、この業界で求められるスキルの条件を十分にクリアしている。同時に、我々はVIPideaが今後、同様の製品モデルをさらなるジャンルに横展開することを期待している」
(翻訳・神部明果)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録