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中古ブランド品取引がライブコマースによって再び加熱している。ニーズの増加に加え一般的な消費者の好みが細分化し、購入を決める際により慎重になり、価格にもシビアになってきているからだ。ショート動画やライブならば商品の状態やデザイン、実際の使用感などをリアルに伝えることができ、消費者の「知りたい」ニーズにより応えられる一方、ライブ配信のプラットフォームそのもののアクセス数が多いため、従来の電子商取引(EC)サイトに比べて集客コストが低いという一面もある。
ライブコマースの力を借りて、「只二(Zhier)」「紅布林(PLUM)」などの中古ブランド品売買プラットフォームが新型コロナウイルス流行期間に売り上げを伸ばしている。中古ブランド品のライブコマースEC「妃魚(Feiyu)」は今年2月末にシリーズAで数千万ドル(数十億円)の資金を調達している。
36Krはライブコマースで中古ブランド品を販売する「小花(HANA LUXURY)」を取材した。現在、小花のデイリーアクティブユーザー(DAU)は100万人、取り扱い商品はバッグ、腕時計、宝石、アクセサリー、衣類、小物などだ。5月までに月間GMV(流通取引総額)は6000万元(約9億円)を超えており、ライブコマース事業からすでに黒字化を達成している。
小花は設立当初はセレクトショップとして運営していたが、2017年から不用品の引き取りを希望する顧客のニーズに応えて中古ブランド品の取引サービスを始めた。2018年末にはライブ配信に参入しているがこれは業界内でもかなり早い方だ。現在は主に「淘宝直播(タオバオライブ)」と「抖音(Douyin)」を舞台にライブコマースを行っている。
中古ブランド品を購入する消費者が最も関心を寄せるのは商品が「本物、良品、合理的な価格」であるかどうかだ。プラットフォームは如何にして状態のいい品を仕入れるのか。これにはサプライチェーンが重要な役割を持つ。現在多くの中古ブランド品取引プラットフォームは委託販売(不用品の販売代行)方式を採用している。売り手は一般の消費者と小規模店などの事業者だ。プラットフォームは手数料や差額を主な収益源としている。
つまり事業スキームは売り手と買い手のマッチングであり、キャッシュフローの回転が速いなど利点もあるが、同時に欠点も存在する。小花の創業者Inn(応佳卿)氏によると、委託販売方式は優れた商品を持つ売り手には魅力がないという。個人の売り手にとっては、発送までのプロセスが煩雑で、輸送中に商品が破損したり、最終的に売れ残ったりするのではないかという不安も存在する。商品を発送してから売れるまでの期間も長い。また、小規模店などの事業者が委託販売を希望する商品は往々にして在庫品が多いものだ。
小花の仕入れは買い切り方式が主で、委託販売は補助的な手段にすぎない。買い切り商品が80%を占める。仕入れ先は個人の売り手と事業者の比率が7:3だ。買い切り方式のメリットは取引プロセスがシンプルで、効率が高く、デザインを確保することもできる。そのほか、小花が取り扱うすべての商品は販売前にまずライブ配信拠点に集められ、ジャンル分けと鑑定、価格設定などのプロセスを経てから各販路で販売される。現在、小花が所有する中古ブランド品の在庫は数量にして1万点、価格は6000万元(約9億円)を超えている。
買い切り方式ではキャッシュフローに負担がかかるが、小花は値引き販売を行うことで対処している。データに基づいて在庫数に警戒ラインを設定し、販売経路を分散して在庫処分を行う。
商品の鑑定も中古ブランド品取引では力を入れるべきプロセスだ。現在、小花には香港を含む中国国内のブランド品の鑑定士とメンテナンスの専門家が20人余り所属している。各商品は少なくとも12の鑑定プロセスを経て、3人の鑑定士が本物と認めて初めて販売される。
小花には50人のライバー(動画配信者)が所属しており、月間1000回以上のライブ配信が行われる。そのうち、月間売上高100万元(約1500万円)以上のS級とA級のライバーが30%を占める。ライバーと商品のマッチングについて、小花は独自のシステムを持っている。直近3日間の販売総数、返品率の低さ、客単価などのデータランキングが上位のライバーは希望の商品リストを作成でき、小花はそれに沿って商品を手配する。将来的に同社はMCN(マルチチャンネルネットワーク)を設立し、ライバーをIP化する計画だ。
実店舗を運営することで消費者からの信頼を得るため、小花は現在上海や深圳に4店舗を構えている。ユーザー管理に関しては独自の会員ポイントシステムを構築。会員数は現在10万人を超えている。1888元(約2万8000円)の有料会員サービスを選択すれば、無料鑑定、メンテナンス、割引などの各種サービスを受けることができる。
同社は今年、月間売上高1億元(約15億円)という目標を設定している。Inn氏は中国の中古ブランド品市場は未熟で、参入の早かったプラットフォームが商品リソースや販売能力、アフターサービスなどで先行者優位を発揮しながら徐々に拡大し、最終的には業界内では少数の企業でシェアを独占する可能性が大きいとみている。ライブコマースはあくまで手段の一つにすぎないとし、今後はより多くの集客方法を試みる計画だ。
(翻訳・山口幸子)
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