集積回路設計の「VeriSilicon」が上場へ 赤字続きも技術力に強み

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集積回路設計の「VeriSilicon」が上場へ 赤字続きも技術力に強み

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7月22日、集積回路の設計を行う「芯原微電子(VeriSilicon、以下「芯原」と略称)」の、科創板(スターマーケット)への上場申請が承認された。

芯原は2001年に設立され、ワンストップ型の集積回路カスタマイズサービスや、半導体IPライセンスを主要業務としている。同社は「SiPaaS(サービスとしてのシリコンプラットフォーム)」というビジネスモデルを採用しており、自社では集積回路を製造しておらず、収益はすべて集積回路のカスタマイズとIPライセンスによるものだ。

同社は今回の上場で7.9億元(約120億円)を調達する予定で、調達した資金はウェアラブルデバイス、スマートカー、スマートインテリア、スマートシティ、クラウドプラットフォーム向けのIPライセンス事業に使う予定。

市場調査会社「IPnest」の集計によると、半導体のIPライセンス収入において、芯原は中国本土トップで、世界第7位である。また、市場調査会社「Compass Intelligence」のレポートによれば、2018年のAIチップ開発企業のランキングにおいて、芯原は世界第21位、中国第3位であった。中国の上位2社はファーウェイ傘下の海思半導体(HiSilicon)と「瑞芯微電子(Rockchip)」である。

2017〜2019年、芯原の売上高はそれぞれ10.80億元(約160億円)、10.57億元(約160億円)、13.40億元(約200億円)だった。しかし、収益力は低く、上記3年間は合計2.37億元(約36億円)の赤字であり、設立以来の累計赤字は15.81億元(約240億円)に上る。2020年上半期は0.83〜0.8億元(約12億円)の赤字と同社では予測している。

赤字について、芯原は開発費の高騰を要因に挙げている。目論見書に記載された3年間、売上高に占める開発費の比率は30.71%、32.85%、31.72%だった。持続的な黒字化を実現できていないものの、開発に注力してきたことで、今後の成長を支える技術的なベースはできているという。

芯原の主な顧客はインテル、サムスンなど世界的な半導体メーカー、Facebook、グーグル、アマゾンなどインターネット大手、ファーウェイ、「瑞芯微(Rockchip Electronics Co., Ltd.)」、ZTE、監視カメラ開発の「大華股份(Dahua Technology)」、集積回路設計の「晶晨股份(Amlogic)」などの国内企業である。

同社の株式所有構造を見ると、実質的支配者はなく、筆頭株主である「VeriSilicon Limited」の持株比率は17.91%で、他の株主は「国家集積回路産業投資基金」、「IDG資本(IDG Capital)」、「Intel Capital」などである。上場前の最後の資金調達では、スマホ・IoT家電大手の「シャオミ(Xiaomi、小米)」傘下のファンドが出資し、持株比率で第4位となっている。

芯原は海外事業の比重が高い。目論見書によれば、2017〜2019年の海外での売上高は総売上高の67.65%、73.75%、54.64%を占めているという。したがって、国際貿易環境の変化の業績への影響が大きく、ほかにも現地のレギュレーション、政治情勢、知的財産権政策の変化に注意が必要となっている。

集積回路設計は高度な技術と長い開発期間を必要とするため、完成品が予期した性能に達しない、開発途中での顧客需要の変化、市場トレンドの変化といったリスクもあると芯原は認めている。

(翻訳:小六)

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