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AIを活用した建築設計プラットフォームを手がける「小庫科技(XKool Technology)」が、AIエンジンをさらにバージョンアップさせ、設計士グループ向けにスマートツールの新製品を発表した。AIによって設計案を完全自動生成する製品で、なおかつ任意の設計段階でヒトが介入できるものだ。
小庫科技は建築設計士とコンピューター技術者によって2016年に設立された企業で、主に建築設計や不動産分野に対してインテリジェント化された設計ツールやサービスを提供する。
既存のCAD(コンピューター支援設計)やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と異なり、小庫科技は自主開発したAIエンジンによってAI駆動のクラウド型建築モデル「ABC(AI-BIM-Cloud)」を構築した。ビッグデータを随時呼出し、プロジェクトの分析評価を行うことができ、その結果をクラウドコンピューティングと独自のAIエンジンに引き継げることが強みだ。設計案のデータはクラウド上でレンダリングでき、さらにそれをクラウド経由で共有および共同編集できるうえ、さまざまなデータ形式で出力できる。
今回のAIエンジンの更新は小庫科技のもとに寄せられた「建築設計のプロをスマート設計に介在させたい」という4000件以上のユーザーからのフィードバックに基づき、ヒトとAIの協業実現を試みたものだ。
アップグレード後の新機能は以下:
1)設計草案の即時生成:これまでの小庫科技のプラットフォームはユーザーが容積率などの基本指標を入力すると設計案を生成するもので、ディテール部分はヒトが編集していた。新機能はマスタープランの生成以外に、自動計画(Automated planning)によって修正と生成を繰り返すことができる。生成時間もわずか数秒にまで縮まった。
2)測算のスマート化:ユーザーが部屋タイプ別の戸数配分を入力すると、適切な設計サンプルの組み合わせや建物種別が見つかる。適合するサンプルがライブラリにない場合は、サンプルのレコメンドを集めた一覧表から新規で設計を組み立てられる。
3)CADとの連動: CADのプラグインによりワンクリックでデータを紐づけし、プラットフォームを自由に切り替え、リアルタイムにデータを同期できる。BIMと互換性を持つIFC形式ファイルのエクスポートも可能で、BIMの主要ソフトウェアに対応する。
小庫科技は既存の製品以外に、数十万パターンに及ぶ間取りに対して深層学習を用いた新製品を発表した。同社のAIエンジンを用いて間取り設計を行うもので、ユーザーが建物の外郭をアップロードすると数秒で複数の設計案が上がってくるほか、各種パラメーターも調整される。設計に当たってユーザーが選択するのは建物種別とコアチューブ架構だけで、設計図生成と同時に基準階の面積、使用率などの指標も算出される。
さらにプラグアンドプレイの二つの補助ツールも発表している。建設地評価ツールは、建設候補地を選ぶと所在都市の3Dモデルや付近の商圏の評価など候補地周辺のさまざまなデータや分析結果を閲覧できる。カラー図面自動生成ツールは、CADデータをアップロードするだけで彩色を施した景観イメージ図やカラー図面を生成する。生成した画像はレイヤー未統合のPSDファイルとしてダウンロードできるため、さらに編集・加工を加えられる。
同社の市場展開は主に設計事務所や不動産企業などとの提携にかかっている。目下の顧客は「前海柏涛設計(PTQH)」「尤安設計(UABAN ARCHITECTURE)」「華通国際(WDCE)」などの大手から中小までを含む設計事務所、また「泰康保険集団(Taikan Insurance Group)」とは高齢者養護施設プロジェクトで提携している。さらに中国のIT大手テンセントとはBIMを用いた計画・設計事業で独占パートナーとなっている。
(翻訳・愛玉)
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