好調のペット産業でニッチ業態 ペットの写真撮影サービスが黒字スタート

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好調のペット産業でニッチ業態 ペットの写真撮影サービスが黒字スタート

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ペットを家族として飼う人がますます増え、中国では飼い主が自らを「(ペットの)トイレ管理人」と呼ぶ流行語も生まれている。飼い主の消費水準が上がるにつれ、フード、おやつ、おもちゃなどペット関連製品が次第に充実し、飼い主とペットを対象にした各種サービスも誕生している。

これまでに36Krがレポートしてきたペット関連サービスには、ペットのトレーニングや預かりを手掛ける「愛豆寵物」、セルフサービス式のシャワーブース「小霊寵」、ペットフードのサブスクサービスを展開する「豆柴寵物」などがある。

「321寵物照相館(321ペット写真館)」はペットの写真撮影サービスを手掛けるスタートアップ企業だ。2019年に設立され、半年間の運営を経て、現在は広州市中心部に200平方メートルの旗艦店を構え、すでに利益が出ている。Wechat(微信)の公式アカウントおよびミニプログラムのユーザーは5万人余りで、そのうち有料ユーザーは約3000人だ。

画像:321寵物照相館

競争の激しいペットフードやペット医療市場に比べると、ペット写真業界はまだ主要ブランドが確立されていない。ペットの写真撮影は人の写真撮影とは異なり、犬や猫は自由気ままに動き回り、レンズを向けられるのを嫌がることもある。ペットの種類に合わせて撮影への誘導を変える必要もある。通常の人物撮影とは異なる撮影方法、誘導技術、背景や小道具などが必要とされ、またペットを飼っていない他の利用者の感情を考慮すると、従来の撮影スタジオがペット撮影業務を行うのは難しく、この市場へ参入するのは簡単ではない。

このような市場の空白はスタートアップ企業にとってチャンスといえる。

一方でペット写真業界はペットフード業界のようにペットの飼育数によって市場規模を予測することができない。ほぼ全ての飼い主が自分のスマホでペットの写真を撮るだろうが、ペットを連れて写真館に記念写真を撮りに行くことはあまりしないだろう。この新興市場で大きなチェーン展開のブランドが成長する可能性はあるだろうか。

この新興市場に参入するにあたって321ペット写真は、創業初期に3つの発展段階を計画し検討を行った。最初に有料会員によってビジネスを維持することは可能かを検討した。次に有料でも利用したいという意向があるユーザーのうち、実際にサービスを利用する人はどれくらいいるのかを予測した。最後に広州市内のペットの飼い主のうち、どれくらいが有料ユーザーになる可能性があるのかを検討した。

同社はまず広州市内中心部のペット連れで来店できるデパート内に70平方メートルのスタジオを構えて試験営業を行い、その後200平方メートルの撮影スタジオへ移転した。撮影サービスを提供する際に心掛けているのは、単にペットを綺麗に撮ることではなく、ペットと飼い主の関係性を写しこむことだ。

現在、店内での撮影サービスはコース別に分かれており、ペット単体での撮影は700元(約1万円)程度、飼い主とペットを一緒に撮影する場合は1000元(約1万5000円)程度だ。飼い主とペット、飼い主家族とペットの組み合わせ撮影が最も人気が高い。撮影されるペットの中で多いのは犬と猫で、そのほかにハムスター、ウサギ、チンチラなどの小動物の撮影もある。

ペットの撮影には比較的時間がかかるため、他のペット関連サービスを増やして店舗面積あたりの売上高を増やし、複合的なサービスを展開することも課題の一つだったが、この問題に対して同社は、初期段階では事業規模の拡大や多角化を目指さず、ペット撮影の品質を確保し、高評価の口コミを通じて地域でブランドを形成していくという回答を出した。

スタジオ撮影以外にオプションとして訪問撮影サービスも提供しているが、周囲外部への影響を考慮して屋外撮影は行っていないという。

同施設の利用者は25~35歳の女性が中心だ。一部のユーザーは単身者で、ペットを家族として一緒に記念写真を撮影する。また一部は家族ユーザーで、子供が生まれたり家族が増えたりした時、あるいはブライダルや結婚記念日など節目のタイミングで、ペット連れで家族写真を撮影する。

第一段階の運営を通じ、珠海や仏山などの省内の比較的遠い地域から多くのユーザーが車で写真を撮りに来ることが分かった。また、来店客の増加を狙って多くの百貨店から出店の引き合いも来ている。今後は旗艦店のほかに、広州市内に2~3店舗を出店し、続いて仏山や深圳といった省内都市にも展開をしていく計画だ。

321ペット写真の創業者兼市場責任者の梁嘉欣氏は以前、ティードリンクブランド「奈雪の茶(NAYUKI)」の華南地区責任者を務めていた。ブランド形成と実店舗の管理に長けている。カメラマンの李偉氏はレッド・ドット・デザイン賞や中国版グッドデザイン賞とも言われる「中国好設計(China Good Design)」で受賞している。独創的な構図とスナップショットが得意でオランダのマルク・ルッテ首相などの人物写真を撮影している。
(翻訳・普洱)

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