テンセント出身者によるシェアNo.1の中国版車載Siriの実力…同行者科技

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テンセント出身者によるシェアNo.1の中国版車載Siriの実力…同行者科技

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同行者科技(txzing)は中国深センの企業である。現在、中国では自動車のスマート化とコネクト化が進んだことで、車内でのコミュニケーションに対する需要が高まっている。弊社では、業界初の自動車向けスマート音声インタラクションソリューションを開発しリリースした。ここでは中国版車載Siriについて紹介する。

同行者科技の陳求先氏が、8月28日開催の日中オンラインセミナー「中国IVIの最新動向と車内UI/UX最前線」に登壇し、動画を交えながら詳細を語ります。

創業と中国版車載Siri

弊社CEOのPennyは元中国テンセントの製品責任者で、同行者は彼の2番目となる企業だ。筆者も2008年からAI業界に入りすでに10年以上のAI分野の経験を持っている。弊社では、車内でのマンマシンインタラクション需要に注目し取り組んできた。この領域において中国国内でのビジネスを拡大し、中国語の他、日本語、ロシア語、英語、アラビア語を含む18カ国の言語を展開しており、海外現地のアプリケーションなどにも対応している。

2014年の設立から1年後に業界初の自動車向けスマート音声インタラクションソリューションをリリースした。まず、中国国内での自動車アフターマーケットからスタートし、中国のオリジナル自動車ブランド知豆(ZHIDOU)EV自動車に、弊社のスマート音声システムを搭載。その後、ユーザー数も1000万人を突破しテンセントと戦略提携。SAIC MotorのコネクティッドカーRoewe Rx5にも搭載し20万台以上が出荷され、弊社のスマート音声システムを搭載した量産車種は30種類以上となった。2019年にユーザー数は2000万人を超え、車両の進化を構築する「ダーウィン計画」を立ち上げた。我々の考えは、学習機能を持たせて使えば使うほどユーザーのニーズを理解し、進化し続けるプラットフォームを作り上げることである。2020年、上海SKODAの二車種と上海ゼネラルモーターズの最新ビュイックなどに弊社の音声システムが標準搭載され、中国国内での合資企業との協業を実現した。

望んでいることは車自体がもっとスマートになり、私たちが何を言っているのか分かって欲しい。つまり人とマシンのインタラクションに望んでいるのは、我々の設備や自動車、ロボットなどが人の行動をシミュレーションし、我々の考え方などをシミュレーションしながらコミュニケーションを取って欲しい。

中国最大の自動車IoTプラットフォームとビッグデータ

膨大なネットリソースを自動車領域に融合させたことで、ユーザーの利用状況や環境などに応じ様々な体験を提供することができるようになった。例えば、突然出張が必要になった場合、航空券やチケットについて調べたり、チケットの購入手続きも完結できる。我々は現在、中国最大の自動車IoTプラットフォームとなり累計2800万人のユーザーとリアルタイムで繋がっている。蓄積された音声交流データは約27億150万超え、ユーザーたちが運転した距離は96億万キロ、運転した総時間は約8億3千万である。

ユーザーデータで分かるのはユーザーの分布状況、使っている機能状況、例えば音楽、歌手の名前などの情報が得られユーザーの個人情報は含まれていない。我々はユーザー利用情報を分析し、オーナー像を描き、ユーザーの需要に応えるようにしている。主要となるオーナーは80年代の人で、彼らの車の利用状況、日常的によく聞いている音楽、よく向かっている場所、通勤状況、好きな食べ物まですべて分析ができている。我々はこのような分析を通じて、自動車のスマート化が進むことと共にビッグデータを使いユーザーの行動や需要を分析し、我々の製品やサービスを進化させていくことができる。

車内以外にスマートホームと設備などと接続し、エアコン、テレビ、カーテンを操作することもできる。
また、車内においてダッシュボードのデータ項目を含め、ユーザーに対し様々な通知を行うことができる。例えば車両のメンテナンスが必要な場合、音声通知で車両メンテナンスが必要であることと、メンテナンスの予約が取れるか確認ができ、警報などが発した場合は、警報内容を伝えると同時にどのように対応すべきかなどの提案をすることもできる。上記は、音声と車両データを融合することで素早く行うことが可能だ。

市場状況

2014年の設立から今まで中国国内のアフターマーケットを独占しており、車載機市場では80%のシェア、スマートバックミラーと呼ばれる自動車部品に関しても中国国内では70%のシェアを占めている。毎年この市場では約1000万人のユーザーが増える見込みだ。

協業状況と今後

自動車メーカー標準搭載においては2016年に知豆と協業してから直近までの展開状況を見ると、中国国内の100以上の車両製造メーカーと協業しており、30社以上のサブプライヤー企業と協業関係を結んでいる。協業関係を締結したオリジナルブランド、中国国内のブランド企業にはSAIC 、GAC、FWA、BYD、BAIC、Geely、Qirui、などがあり、こちらの企業とはすべて協業関係だ。サブプライヤーの中にはDesay SV等のオリジナルブランド企業もあれば、東風科技のようなトップサブプライヤーもあり、ほとんどのサプライヤー企業と連携を取っている。日産シルフィは我々のサービスを標準搭載した車種で、今年の4月に量産されたばかりのビュイック新型車両には弊社音声システムを標準搭載した。

今後は、エンタテインメントでのマネタイズ可能なサービスを統合したプラットフォームを構築する必要がある。出かけたいという需要は今の中国国内の自動車ホルダーにとって必要不可欠な需要となっている。自動車のスマート化により、移動するスマート端末と見なされ、スマートホームやスマート設備と繋がるだけでなく、進化していくにつれ、AからBまでの交通手段から移動モビリティーサービスプラットフォームになりつつある。現在、このプラットフォームでは運転手や同乗者の需要に応えるようたくさんのコンテンツとサービスを提供している。

我々が最初に目標に掲げたことは両手を開放し、安全に出かけることだったが、今はネット資源を統合し、音声方式で自動車スマート化後のマンマシンインタラクション需要を満たしていくこととなった。今後もユーザーに我々のサービスを継続して使っていただきコンテンツとサービスを強化、より詳細なユーザーイメージを描くことでユーザーに適したカスタマイズサービスを提供していきたい。

8月28日開催、日中オンラインセミナー「中国IVIの最新動向と車内UI/UX最前線」に同行者科技の陳求先氏が登壇し解説。質疑応答も実施する。

(作者:レスポンス・鈇田幸雄)

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