世界最大級のエドテックユニコーン「Byju’s」 業績絶好調も問題行動で批判

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7月初め、インドのエンジェルファンド「Malpani Ventures」の創設者Aniruddha Malpani氏が、LinkedInで動画を公表し、インドのエドテック大手の「Byju’s」を批判した。この動画の中で、Malpani氏は同社が従業員に過度のプレッシャーをかけて業績を伸ばしていることを批判し、さらに従業員が生徒の保護者を威嚇したり、騙したりすることもあると暴露した。

動画は大きな波紋を呼び、一週間後に「事実と異なる中傷を含む」としてLinkedInによって削除された。さらに7月末には、Byju’sからの違反報告に基づき、Malpani氏のLinkedInでのアカウントが閉鎖されるに至った。

Byju’sはインド最大のオンライン教育プラットフォームである。新型コロナ禍もあり、過去4カ月でByju’sのユーザーは2000万人増え、ロックダウン中の売上高は99億ドル(約1兆円)に上った。申し分ない業績で、投資家からの人気も高い同社だが、このように裏の顔もある。

組織ぐるみの問題行動

Byju’sが批判されるのは、これがはじめてではない。現地メディアの報道によれば、オンラインレッスン購入後15日以内なら全額返金できると同社は宣伝しているが、、割引が適用できるなどとして、決済時には第三者決済サービスへと誘導している。そのため、返金時は第三者決済サービスの規定を適用することになり、返金できないというトラブルが多発しているという。

Byju’sの従業員に対する姿勢もかねてより問題視されている。業績の上がらない従業員に対して、パワハラをすることがよくあるとされており、そのため従業員はやむを得ず顧客を威嚇したり、騙したりしているという。

このようなことを、Byju’sの経営陣は知っているのだろうか。インドの試験対策オンラインプラットフォーム「Exam Tarri」の創業者Vivek Gupta氏は取材に対し、むしろByju’sの経営陣がこのような暗黙のルールを作り上げているのであり、会社の問題行動については当然把握していると指摘する。

これらのことについてByju’sに問い合わせたが、コメントを得ることはできなかった。これまでも、同社はネガティブな報道についてすべて黙殺し、改善をしてこなかった。それでも、投資家からの人気は変わらないのである。

マネー・ゲーム

なぜByju’sは批判されても、経営方針を変更しないのだろうか。そして、なぜこのような問題行動をとる企業が、投資家から人気なのだろうか。

前述のGupta氏は、企業の時価総額への行き過ぎた注目が原因だと見ている。スタートアップにとっては、時価総額を上げることが重要であり、そのためには、売上目標を高く設定し、それを達成する必要がある。

それゆえ、Byju’sの事業に関して言えば、ユーザーがレッスンを購入し続けるよう誘導しなければならないのである。現在同社の従業員は約4000人で、大半が営業スタッフである。また、大学生アルバイトに営業させることもよくあるという。こうした強気な営業手法で、業績成長を保ち続けているのだ。

そして、投資家たちは、売上目標を達成したかどうかの数値しかみておらず、目標達成のためならどんな手を使ってもいいと経営陣に迫ることもあるという。経営陣としても、事業拡大のために投資家に頼る必要があり、こうした利害の一致によって、従業員や顧客の利益を無視した方針が維持されるのである。

確かに、Byju’sの財務データは好調であり、2018年度から黒字化し、260万ドル(約2億8000万円)の純利益を上げている。しかし、今回インタビューに応じてくれた保護者のなかに、すでに他社のレッスンへの乗り換えを考えている人がいるように、ユーザーの不満が積み重なれば、今後Byju’sのサービスが選ばれなくなる可能性がある。一時的な成長だけを考え、問題行動をも許容するような経営では、いつか大きなしっぺ返しを食らうことになるのである。(翻訳:小六)

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