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IT技術関連市場専門の調査会社米「ABIリサーチ」によると、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、360度動画の進歩はインタラクティブ(相互作用)で没入型のコンテンツ新時代の到来を告げるものであり、この市場の規模は2022年には60億ドル(約6300億円)に達する見込みだという。
VR技術は完全没入型VR体験の実現に向けて進歩してきたが、仮想と現実の間の相互作用をいかに強化するかが主要な課題だった。現在の3D VR技術でも立体効果は出ていたが、仮想世界にいる間は移動することができないため、インタラクティブな効果はある程度制限されていた。
VRインタラクティブ技術において、近年「6DoF」という画期的技術が発明され、ユーザーは仮想空間での移動体験ができるようになった。
6DoF(six degrees of freedom)とは、オブジェクトをX(横)、Y(縦)、Z(高さ)軸で回転させるだけでなく、X、Y、Z軸上の移動も可能だという意味である。3D VRに6DoFが加わり、ユーザーは仮想世界を自由に移動できるようになった。VRの画面はユーザーの動きに応じて変化する。この種の完全没入型体験は、DIVE(Deep Immersive Visual Experience)業界の台頭につながったが、これには高い技術が必要なため、利用できるDIVEコンテンツはわずかで、ヒットコンテンツも出現していない。
「杭州西顧視頻科技有限公司 (FXG VIDEO SCIENCE AND TECHNOLOGY:以下FXG)」は、2017年にDIVE業界に参入し、映像コンテンツ制作用の一連のソフトウェアおよびハードウェアを開発している。CEOのNikk氏によると、同社は企業や政府から中・大規模プロジェクトを受注しているという。企業研修用コンテンツ、文化広報動画、製造工程動画、ブランドプロモーション動画など、これまでに制作した動画素材は2万分(約330時間)以上、作品数で約100本と、制作面でも安定している。同社は、近い将来VRデュアルフルフレーム12K・360度カメラ「DUO」をリリースすることも明らかにしている。
李文松CTOは、この製品のセールスポイントはコンテンツをスーパーハイビジョンで映し出す点だと紹介する。
FXGは、16Kスーパーハイビジョン動画と至近距離撮影をサポートするVRカメラを自社開発した。現在の業界スタンダードは8K留まりだ。さらに、市場に出回っている一般的なVRカメラの場合、きれいに撮影するには被写体から2m以上離れる必要があるが、現実世界とのインタラクティブな効果をシミュレートするには、この距離を最低でも0.5mまで縮める必要がある。FXGは、0.5mまできれいに撮影できるオプティカルフローカメラを開発した。VRカメラは6DoF機能を加えると、一人称視点を持ち、超近距離撮影でも明らかな欠陥はなくなる。このハードウェアに求められる条件は高く、さらに基礎となるアルゴリズムも重要なポイントになる。
業界は常に6DoF技術とDIVEコンテンツに高い期待を寄せてきた。2003年にWindowsCEプラットフォームが登場して以来、6DoFはテクノロジー界やユーザーから大きな注目を集めてきた。2015年、台湾「HTC(宏達国際電子)」や米「Oculus」は相次いで一般向け6DoFのVRヘッドセット第1世代を発売した。それらの商品は高価格で体験時間も限られていたがユーザーから大いに歓迎された。
FXGは現在、一般消費者向けにエンターテインメント、スポーツ、演劇、ライブ配信などの機能モジュールを開発しており、再生時間も数分から十数分とさまざまだ。また、業界トップ企業とVR一体型ヘッドセットの販売とコンテンツ開発での提携も進めているほか、ホログラム動画の撮影や実用に関する研究も行っている。
FXGの中心メンバーは、DIVE業界で10年の研究開発およびマーケティングの経験がある。李文松CTOは、2014年に「超立景(Chaolìjing)科技」を設立し、VR8カメラシリーズを開発、生産してきた。NikkCEOは「北京電影学院」の客員教授であり、2013年に中国初のVR交流サイト「Oculus China」を設立した。この会社は後に米国のFacebookに買収されている。FXGの企業規模は約30人で、エンジェルラウンドでの資金調達を準備をしているところだ。(翻訳・永野倫子)
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