倉庫の自動化が約1週間で完了、複数コンテナボックスにも対応するHAI ROBOTICS

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物流倉庫ロボットを手掛けるテック企業「海柔創新(HAI ROBOTICS)」がこのほどシリーズBで資金を調達した。リード・インベスターは「源碼資本(Source Code Capital)」、コ・インベスターは既存株主の「華登国際(Walden International)」「零一創投(01vc)」。華登国際が主導し既存株主の「百世物流科技(Best, Inc.)」も出資した昨年のシリーズAでの資金調達を含めると、調達額は1億元(約15億円)を上回った。財務アドバイザーは今回も「勢能資本(Scheme Capital)」が単独で務めた。

2016年に深圳で創業した海柔創新はロボットコンテナハンドリングによる自動倉庫システムの開発設計およびプランニングに特化している。コンテナボックスを作業員のいる場所まで搬送する同社のシステムには、ロボット「HAIPICK庫宝)」、ソフトウエア「HAIQ」および作業ステーションなどが含まれ、部材の選択、搬送および仕分けを実施し、フレキシブルな自動化改造のニーズがある物流倉庫や工場にサービスを提供できる。

調べによると、同社は2017年にシングルコンテナハンドリングシステムの実用化、2018年にはマルチコンテナロボットの商用化を実現した。HAIPICKは現在、コンテナロボットからロボットコンテナハンドリングによる自動倉庫システムへと発展を遂げ、ダブルディープラックでのコンテナピッキング、段ボール箱のピッキングと搬送などを実現し、3PL(サードパーティーロジスティクス)、アパレル、Eコマース、エレクトロニクス、電力、製造、医薬品といった各業界で活用されている。

2017年のシングルコンテナハンドリングロボット「HAIPICK A2(KUBO)」 北京市の某倉庫内にて
2020年のダブルディープ自動ケースハンドリングロボット「HAIPICK A42D」 香港倉庫にて

創業者の陳宇奇CEOによれば、HAIPICKの設計理念は「安使える」および「簡単に使える」という二点に集約できるという。HAIPICKを使用すれば1週間以内で倉庫の自動化改造が完了し、システム全体は1カ月前後で始動が可能。HAIPICKは一度に複数のコンテナまたは段ボール箱のピッキング・運搬ができるため、オペレータの作業効率を3~4倍に向上させられるで。またHAIPICKは最大で高さ5メートルのラックにも使用でき、倉庫の立体保管密度も80~130%向上させる。導入と拡張が容易という特性から、改造やアップグレードも行いやすい。

同社のソリューションでは固定式のラックを採用しているが、これは大部分の既存倉庫の状況にもマッチしており、改造の難易度も相対的に低い。改造が必要な倉庫に求められる条件は、床が平面であるというただ一点のみだ。床が平面でない倉庫の場合、部分的な研磨作業による平面化のみを行なえばよく、陳氏によれば「4000平方メートルの倉庫に必要な研磨費用は約1万元(約15万円)」とコストも低い。こうした柔軟な自動化ソリューションは多くの顧客に受け入れられ、トータルでの投資回収期間を2~3年に短縮できる。

スマート倉庫業界が爆発的に成長した背景の一つに人件費の上昇があるが、中国国内の現在の人件費を先進国と比べた場合、ギャップはまださほど目立たない。陳氏によれば、人口ボーナスの段階的な減少は今後の必然の流れである一方、現在でも2交代さらには3交代制の工場など、人件費の非常に高い顧客が存在しており、こうした状況では自動化改造は彼らにとって合理的な選択であるという。

市場にはスマート倉庫業界に参入する企業が多く存在するが、陳氏は自社の最大の特長は、コンテナ用ロボットというニッチな分野にフォーカスしている点だと考えている。同社スタッフは関連分野での豊富な活用例や経験を蓄積し、数百件に上る特許を出願・登録済みだ。スマート倉庫には長いサプライチェーンが含まれており、あまりにも多くの製品ラインに精力を分散させてしまうと、製品の品質や顧客への納入に影響が出ると陳氏は話す。

同社は今後、複数のエリアに販売・技術サービスセンターを建設した上で、世界中のシステムインテグレーターやディーラーと提携し、全世界を網羅するマーケティングネットワークや技術サービス体系を構築する計画だ。またロボットコンテナハンドリングによる自動倉庫システムに加え、ロボットアーム、包装ロボット、レーザーナビゲーション型フォークリフト、ベルトコンベアなどの技術を融合させ、倉庫を抱える各顧客に対しフレキシブルで効率的なカスタムソリューションを提供していく。

陳氏によれば、業界全体は今なお発展初期の段階にあり、顧客が抱えるペインポイントの多くがいまだに解決されていないという。高さ10メートルのラックのスマート化改造などがその例だ。同社は今後も引き続き技術革新を図り、顧客のニーズを満たすことにフォーカスしていく。

同社のスタッフは6割がエンジニアであり、陳氏自身も香港理工大学電子学部を卒業し、またスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)のロボット専攻の修士課程に在籍していた。

シリーズBでリード・インベスターを務めた源碼資本の郝毅文氏は以下のように述べている。「海柔はコンテナハンドリングソリューションに関して豊富な蓄積があり、KUBOもここ2年間に業界トップの顧客から評価されてきた。我々は、コンテナハンドリングロボットが保管密度、出庫効率、改造コストにおいてコストパフォーマンスの比較的高い総合的ソリューションだと考えており、同社が今後もイノベーションを継続し、顧客にさらなる価値をもたらしてくれると期待する」(翻訳・神部明果)

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