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中国企業の米国市場離れは進むのか? ナスダック幹部が語る「資本市場には偏見なし」

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今年、海外で上場する中国企業の多くに激震が走った。空売り専門の米投資会社マディ・ウォーターズ・キャピタルが、ナスダックにスピード上場を果たしたコーヒーチェーン「luckin coffee(瑞幸咖啡)」の不正会計を明るみに出したことを皮切りに、オンライン教育を手がける「好未来教育集団(TAL Education Group)」も不正会計の事実を公表、“中国版ネットフリックス”と呼ばれる動画サイト「愛奇芸(iQIYI)」も米証券取引委(SEC)の要求に基づき、2018年1月以降の財務・経営記録の調査に協力していると公表した。

さらに米上院が「外国企業説明責任法(Holding Foreign Companies Accountable Act)」を可決、米国で上場する海外企業に対し、情報のさらなる透明化を迫った。

米国で上場する中国企業は株式非公開化か、あるいは上場先を香港に変更するか、何らかの打開策を編み出す必要に駆られている。中国企業は今後もナスダックを上場先に選ぶのか?こうした問題について、36Krはナスダック証券取引所のシニア・バイス・プレジデントで上場サービスやアジア・太平洋地域を統括するBob McCooey氏に聞いた。同氏は過去14年間にわたって、中国ニューエコノミー系企業の米国上場を支援。「資本市場に偏見は存在しない」と断言する。以下はインタビューの抄訳。

――luckin coffee、TAL、iQIYIといった「中国概念株(中国国内に主な収入源を持ちながら海外で上場する企業)」による不正会計事件を受けて、中国のニューエコノミー系企業に対する評価に変化はありましたか。

「投資ポートフォリオを見ればわかるが、わたし自身が多くの中国概念株に投資している。ナスダックやニューヨークで上場している中国企業を含めてだ。中国のニューエコノミーに対しては、揺るぎない信頼を置いている」

――共同購入型ソーシャルコマースを手がける「拼多多(Pinduoduo)」がナスダック100指数の構成銘柄となりました。どのような検討過程を経たのでしょうか。

「拼多多のような優れた企業が選出されてうれしく思っている。京東集団(JD.com)、バイドゥ(百度)、携程旅行網(Trip.com、原Ctrip)、ネットイース(NetEase)についで中国企業としては5社目となる」

「ナスダック100指数はグローバルかつ多様な業種の企業を包括している。拼多多の時価総額は上場時には250億ドル(約2兆6300億円)だったが、現在では1000億ドル(約10兆5300億円)にまで跳ね上がっている。拼多多の描く事業スキームが実際の成長とうまく符合していることの表れだろう。同社は新型コロナウィルスの感染拡大後も大きな成功を実現している。ナスダック100指数の構成銘柄に選ばれたということは、米国市場が拼多多の株主および経営陣を評価したということでもある」

――中国概念株の今後についてはどうお考えでしょうか。

「米国の投資家が中国企業を敬遠しているという見方には反対だ。前出の拼多多の事例はいうまでもなく、今年上半期にはEVメーカーの『理想汽車(Li Auto)』やクラウドサービスの『金山雲(Kingsoft Cloud)』もナスダックに上場した。理想汽車の株価は上場当日で43%の高騰をみせ、多くの投資家が中国企業に食指を動かしていることの最大の証明となった」

――ナスダックやニューヨークに上場する多くの中国企業が香港での重複上場に動きました。あるいは上海の科創板(スター・マーケット)や深圳の創業板(チャイネクスト)も彼らの選択肢に入ってきます。こうした取引所間の競争についてどうお考えでしょうか。

「昨年は32社の中国企業がナスダックおよびニューヨークに上場した。今年は23社程度になるとみている。一方、深圳証券取引所、上海証券取引所、香港証券取引所に上場する中国企業の数をみれば、ナスダックを上場先に選ぶ中国企業はそもそもが一握りであることがわかる」

「しかしナスダックの流動性や全世界をターゲットとした資金力、また上場企業に対する支援やサービスは唯一無二のものだ。またナスダックはプライマリーマーケットからセカンダリーマーケットへの移行を促すプラットフォームでもあり、上場後の企業に対するサービスは手厚い。中国企業にとってもローカルチームによる支援が享受できる。この点がナスダックと他取引所との違いだ」

――現在の脱グローバル化傾向が資本市場に及ぼす影響についてはいかがでしょうか。

「確かにそうした傾向は存在するが、これと金融市場の相互接続は相反するものだ。海外上場を目指すグローバル企業がなくなることはないし、中国企業であろうと南米企業であろうと、それは同じだ」

――テック銘柄ばかりが注目されるナスダックですが、実際の最注目株はバイオ医薬です。新型コロナ禍でさらに注目が集まる中、バイオ医薬銘柄の前途についてはどうお考えですか。

「FAANGを筆頭としたテック銘柄による貢献は確かに大きい。しかしナスダックで最大のグループを形成するのがバイオ医薬銘柄で、新型コロナ禍では最も熱い分野であることは間違いない」

「バイオ医薬企業は莫大な資金を必要とする。ナスダックの強みは全世界に開かれた公開市場であるという点であり、多額の資金を集めたいバイオ医薬企業の眼鏡にかなう市場であると考える」
(翻訳・愛玉)

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