世界を席巻する荷物一括追跡サービス「AfterShip」、中国のIT技術が海を渡る時代へ
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2014年以前、国外のオンラインショップで購入した商品の追跡プロセスは煩雑だった。まずは消費者が売り手へ電話やメールで連絡し、配送業者や追跡番号などを訊ねてから、次は配送業者のサイトで商品の配送状況を調べるというものがほとんどであった。消費者にとっては配送業者と連絡がとれるまでのプロセスは面倒であったし、売り手側にとっても配送状況の照会は手間がかかり、多くの煩雑で無意味な作業を行う必要があった。
海外荷物の追跡システム、香港のスタートアップ企業が一発解決
そうした状況の中、香港のスタートアップ企業AfterShipが、荷物の追跡調査システムが抱える問題解決に取り組んだのである。彼らはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)に接続された配送プラットフォームとECプラットフォームを用いて、利用者がダイレクトに商品の配送状況を確認できるようにした。また、SaaS(Software as a Service、サース)プラットフォームを用意したことで、出品者が商品の配送状況をリアルタイムで確認して購入者へメールで通知できるようになった。また同時に、世界中のECで商品の返品・交換などに対応できるようになった。
つまり、AfterShipはクラウド技術を利用して、商品の追跡や返品などのプロセスを全自動化したのである。これにより、消費者にとっては、商品の配送状況を直接確認したり、返品したりできるなどサービスが分かりやすく快適になったと言え、売り手にとっては、アフターサービスにかかるコストが低くなったと言えるのである。
現在のところ、AfterShipは世界各国の配送業者470社と提携を結び、30言語に対応。サービスを提供しているEC業者は、大手のAmazon、eBay、Etsyはもちろん、その他の小規模EC業者を含めて10万を超える数になる。同社の立ち上げチームによると、2014年のからの事業成長率は100%を達成、すでに黒字転換しているとのことだ。

中国のIT企業が世界をリードする時代へ
EC業界は現在、さらなる国際化の潮流を迎えている。中国の大手・TモールやBaiduは海外進出の時にあり、アメリカのAmazon、ebayも世界各国で進出地域を拡大し続けている。潮流が大きくなる中、中国のEC企業によるアフターサービスや顧客情報管理システムはより精度を増し、すでに先進技術のひとつとして世界各国のEC業者へ輸出されるまでになっており、世界中のアフターサービスに牽引者として影響を与えている。その中で、AfterShipは “要”となる存在であり、配送業者の評価システムを整備するとともに、スマート化したカスタマーサービス体制を整えていく。
中国のビジネスモデルが海外進出し、他国に追随されるのはAfterShipが初めての例ではない。それどころか世界は今、「アメリカに追いつけ」から「中国に追いつけ」へと転換しつつある。PCの黎明期、中国のIT企業の多くが海外から学んだものだが、モバイルデバイスが急速に普及したこの十数年の間に、中国企業の成長速度はアメリカに比肩するものとなった。
例を挙げれば、国内で最初のファイル転送アプリ「茄子快伝」は2011年にレノボ(联想集团)で生まれ、2015年に海を渡った。2017年の3月までにその利用者は10億に達し、全世界における月間アクティブユーザーは4億人に上っている。また、世界34カ国のGoogleプレイの人気ランキングでは、ツールカテゴリの首位に位置づけている。
飽和する国内市場を脱出する中国企業
フリマアプリの「5miles」も、かつてタオバオ(淘宝)の無線事業部に在籍したルーカス・ルー氏が設立したもので、瞬く間にECフリーマーケットという空白市場を占拠した。2016年には取引額30億ドル越えを実現している。しかし、中国内のモバイルインターネット業界で荒稼ぎできる時代は終わりつつある。あらゆるニッチな分野にも雨後の筍のように起業家が満ち、激しい競争を繰り広げているからだ。そのため、国外進出を選ぶ企業が多くなっているものの、それも最善の選択であるとは限らない。