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ウエアラブル市場の勢いが止まらない。アマゾンが8月にリストバンド型の健康管理端末「Halo Band」を発表したのに続き、アップルもマイクロLEDディスプレイを搭載したスマートバンドに関する特許を取得していたことが分かった。
米国特許商標庁が公開した情報によれば、特許を取得したスマートバンドは現行のアップルウオッチよりもフラットで、両サイドに2つの物理ボタンが並んでいる。しかもベルトの素材はさまざまな情報を表示できる電子ファブリックだというのだ。
このスマートバンドが実際に発売されるかどうかや時期については定かでないが、サプライチェーンの量産の動きからいくらか推測することができる。ここ数年、アップルはマイクロLEDやミニLEDなど新しいディスプレイ技術に大きな意欲を見せており、その受注を獲得したいディスプレイ関連企業は急ピッチで開発を急いでいる。
同スマートバンドが採用しているディスプレイは、ミニLEDからさらに進んだマイクロLEDだ。アップルにウエアラブル端末のディスプレイを供給するシャープは、2023年に1インチ以下の高精細マイクロLEDディスプレイの量産開始を計画している。
もしアップルのスマートバンドが発売されるとすれば、恐らく3年後になるだろう。
アップルのウエアラブル端末は高価なうえに、IoTエコシステムが閉鎖的なため、アンドロイドユーザーは敬遠する傾向にある。ユーザーの頭打ちをいかにして打開するかがアップルの課題だ。
その点、今年発売された廉価なiPhone SE(第2世代)を始め、アップルはユーザーの裾野を広げる試みを行っている。シンプルな機能で低価格のスマートバンドが発表されれば、第2世代SEで膨れ上がった市場ニーズを取り込めるかもしれない。
アンドロイドスマホの主要メーカーであるファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivoはすでに自社ブランドのスマートバンドをリリース済みだ。しかしシャオミの「Mi スマートバンド」シリーズ以外は、市場に存在感を示せないでいる。
スマートバンドはディスプレイが小さく、機能が限られているため、技術力を十分に発揮する余地が少ない。製品は低価格帯が中心で、ハイブランドやハイエンド製品はほとんどないうえ、フィットネスマニアでもない一般ユーザーは、購入しても使わなくなるケースが非常に多い。
とはいえ、このスマートバンド市場に大手の参入が相次いでいる。アマゾンやアップル以外に、グーグルもウエアラブル大手「Fitbit」を21億ドル(約2200億円)で買収することを昨年11月に発表、ウエアラブル市場への参入する意欲を見せている。
これまで電子機器業界の風向きを示してきたのはアップルだった。今後アップルのスマートバンドがどのように活用場面を広げるか、どんな新技術を採用するか、それが中国メーカーの新たな指標となり、スマートバンドの開発競争に火をつけることになるかもしれない。
(翻訳・畠中裕子)
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