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サステナビリティという理念が社会に浸透するなか、再生材料を活用してアパレル業界に切り込む中国新興企業「好瓶(HOWBOTTLE)」が注目されている。同社は主にペットボトルをリサイクルし、バッグや服を製造している。
ペットボトルのリサイクル産業チェーンは整備されており、回収から再生材料にするまでの技術が30年以上前から存在している。そのため、商品の量産化に必要な原材料の量を十分確保できる。
好瓶は2017年創業。3年前の創業時は、まだリサイクルが十分に普及しておらず、中国市場では再生材料を使った商品に対する抵抗感があった。そこで、好瓶はまず企業理念を知ってもらおうと、ネットバッグを縫い付けた服を開発し、その服を着た選手を全国7都市でマラソン大会に参加させた。ネットバッグにマラソンコース上に捨てられたペットボトルを拾い集めながら、マラソンを完走する形で宣伝をしたのである。
影響力を拡大した好瓶は、2018年から有名ブランドとのコラボを開始した。なかでも、チャリティファンドの「壹基金(One Foundation)」、コカ・コーラとコラボした「24バッグ」が人気を博した。このバッグは24個のペットボトルと、地震の救援現場で使われたことのあるテントの切れ端から作られており、すべてのバッグに被災地の地名とテントの番号が印刷されている。このバッグの販売数は2万点であった。
このように、好瓶は再生材料を採用するだけでなく、使用した再生材料の「ストーリー」を際立たせることで、中国の消費者に訴えかけようとしている。こうした手法で、製品に特別感を持たせ、購入者にサステナビリティに貢献したという実感を与えているのである。
中国のサステナブル商品市場はまだ未成熟だが、それでも希望を抱かせる変化が生じている。2019年には、中国政府がトップダウンの形でゴミ分別を大々的に推し進め、サステナブル商品への注目度も高まった。また、海外のDTC(Direct To Consumer)ブランドの中国参入が増え、彼らが持ち込んだサステナビリティの理念も中国の消費者の購買行動を少しずつ変えている。
好瓶もコラボを続けている。2019年には、再度コカ・コーラとともに、水に濡れると色が変化するレインコートを発表。さらに注目されたのは、ドイツのスニーカーブランド「camel active」、中国の国有宇宙開発企業傘下の「中国航天文化(SPACE CULTURE OF CHINA)」とコラボした「宇宙バッグ」である。このバッグは、実際に打ち上げられたロケットのフェアリングを細かく砕き、それをバッグの一部に使ったものだ。
現時点では、同社の製品はバッグが中心だ。再生材料を使用しているほか、デザイン性に優れ、軽くて汎用性があるといった特徴がある。購入者の多くは大都市在住のクリエイターやデザイナーであり、とくに女性の比率が高いという。そのため、好瓶はこれらの顧客の特徴に合わせた開発を続けており、たとえば最新の製品にはiPad専用の収納スペースを設けた。今後は、旅行愛好家や大学生をターゲットにした開発も行う予定だ。
(翻訳:小六)
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