原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
パソコン世界大手のレノボは先月、画面折りたたみ式PC「ThinkPad X1 Fold」を発売した。
ThinkPad X1 Foldが搭載する解像度2048×1536の13.3型OLEDディスプレイは折りたたみ可能。全開するとタブレットに、ミニキーボードを組み合わせればPCになり、ある程度折りたためば9.6型のノートPCとしても使用できる。アクセサリーはワイヤレスで使えるミニキーボードのほか、タッチパネル用スタイラスペンも用意されている。
折り目、耐久性、製品の歩留まり率は、折りたたみ式ディスプレイ製造における大きな課題となっていた。レノボ副総裁の王忠氏によると、ThinkPad X1 Foldのヒンジは4年間にわたる設計改良により、使用可能回数3万回以上を達成。本体にはヒンジシャフト技術のほか、マグネシウム合金とカーボンファイバーからなる筐体が採用されている。
折りたたみ式ディスプレイのスマホと異なり、ノートPCはスペックとパーツが複雑なため、画面折りたたみ式PCの薄さと軽さに多くは望めない。折りたたむとPC本体の表面積は小さくなるが分厚くなってしまう。ThinkPad X1 Foldの重量は999グラムと、「Thinkpad」シリーズの最軽量というわけではない。
スペックを見ると、Thinkpad X1 Foldは米インテルのプロセッサー「Core i5-L16G7」と内蔵GPU「Intel UHD Graphics(Gen11)」を搭載している。
また「Lenovo Mode Swithcer」によりシングルディスプレイとマルチディスプレイがワンクリックで切り換えられ、「Lenovo Voice」で音声操作、録音、翻訳、リアルタイム字幕表示の機能も使うことができる。
画面折りたたみ式PCの初代製品となるThinkPad X1 Foldの販売価格は一般的なノートPCよりも高く、256Gの本体のみが1万9199元(約30万4000円)、ミニキーボードとスタイラスペンのセットが2万1999元(約34万9000円)に設定された。
業界では昨年に折りたたみ式ディスプレイという言葉が流行り、レノボだけでなく他のPCメーカーも折りたたみ式ディスプレイ技術の開発を進めていた。レノボは今年に入って開発を強化し、傘下のモトローラから折りたたみスマホ「Razr 5G」を発売した。
ただ、PCとスマホでは製品の性質が全く異なる。スマホは使用頻度がより高く、使用時間も長い。軽さと薄さに対して一定のニーズがあるため、折りたたみスマホの存在意義がある。
一方のPCにも軽くて薄い製品に対するニーズはあるが、購入時にはスペックの方が重視される。もし、折りたたみ式とするためにスペック面で譲歩した上、価格を上げれば販売台数は伸びないだろう。今回発売されたThinkPad X1 Foldが、ターゲットとするユーザー層のニーズを満たすことができるかに注目だ。
(翻訳・神戸三四郎)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録