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中国のソーシャルフィットネスサービス大手「Keep」が先ごろシリーズFで3億6000万ドル(約370億円)を調達した。これにより評価額は20億ドル(約2070億円)となり、昨年5月の資金調達後の10億ドル(約1040億円)から2倍に膨れ上がった。本シリーズではソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資を主導し、「高瓴資本(ヒルハウス・キャピタル)」「蔻図資本(Coatue management)」のほか、既存株主の「GGVキャピタル」、テンセント、「五源資本(5Y Capital)」「時代資本(Jeneration Capital)」「Bertelsmann Asia Investments(BAI)」などが出資を行った。
同社は2015年2月4日にフィットネスアプリをリリースしてからこれまで、6年近くの間に8回の資金調達を行い、調達額は累計6億ドル(約620億円)を超える。
とはいえ、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。Keepは2018年に「家庭向けフィットネス機器」と「都市型フィットネスクラブ」という2本柱の戦略を大々的に打ち出すものの、2019年末には一部事業を廃止するなど縮小を余儀なくされる。
2020年はKeepにとって戦略再構築の1年だった。具体的には、フィットネスクラブ「Keepland」は新たなビジネスモデルが見つかるまで大規模展開を見合わせ、一方でフィットネスバイクやランニングマシン、サプリメントなどの消費財事業を引き続きビジネスの重点に据えるという方向性を採用した。
今回の資金調達で評価額が倍増したのは、主に2020年以降のホームフィットネスのブームによりKeepユーザーが目覚ましい増加を遂げたからだ。加えて主力の消費財事業も好調な伸びを見せている。
公式データによれば、現時点でKeepアプリのユーザーは3億人以上となり、会員数は1000万人を超えているという。
2020年中は1200本以上の独自プログラムに加えて、パメラ・ライフや周六野Zoeyなどフィットネス系ユーチューバーによる指導、ズンバやレズミルズなど海外のフィットネスIPを導入するなど、オンラインコンテンツの向上に特に力を注いできた。
また昨今のライブ配信の勢いに乗って、Keepではプログラム考案者、オンライントレーナー、運営者など100人近くから成るライブ配信チームを立ち上げた。特にオンライントレーナーという新しい職種については長期的な育成プランを用意して、全体的な成長を目指してきた。半年を経て、ライブ配信を行うトレーナー集団は100万人規模のフォロワーを抱えるまでになった。
フィットネス機器の販売において、2020年のショッピングイベント「ダブルイレブン(双11)」では、Keepのフィットネスバイクがアリババ系ECモール「天猫(Tmall)」でカテゴリトップの売上高を記録している。
現時点でKeepのフィットネス消費財の年間売上高は100%の伸びを見せ、新進気鋭の国産フィットネスブランドの地位を確たるものにしている。2021年にはランニングマシンやフィットネスバンドなどスマートデバイスのアップデートを行い、フィットネス機器の改良に取り組むと同時に、中国ユーザーの体質に合ったサプリメントのリリースを計画している。
(翻訳・畠中裕子)
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