ファーウェイ、「もっとも辛い2020年」を生き延びた 次の一手は(下)

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ファーウェイ、もっとも辛い2020年を生き延びた、次の一手は(下)

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中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は先月31日、2020年度の業績を発表した。成長率はやや鈍ったものの、業績は概ね予想通りの結果となり、年間売上高は前年比3.8%増の8914億元(約15兆円)で、純利益は同3.2%増の646億元(約1兆900億円)だった。営業キャッシュフローは前年比61.5%減の352億元(約5900億円)となっている。

同社のケン・フー(胡厚崑)輪番会長は昨年の業績を「及第点」と評価し、「全体的にみて我々の業績は予想通りで、経営状態は比較的安定しているといえる」と述べた。

エリック・シュー(徐直軍)輪番会長(当時)は前年の業績報告会で、「2020年はファーウェイにとって最もつらい1年になる」と述べ、社を挙げての目標は「生き延びること」としている。

結果、ファーウェイはその2020年を生き延びた。3年ぶりに業績報告会の進行役となったフー輪番会長は「2020年は特殊な1年だった。2021年はチャンスとチャレンジが共存する1年になる」としている。

前篇:生き残りをかけたIoT事業

最速成長を遂げるクラウド事業

不振の端末事業に替わって、新たな成長事業として台頭してきたのがクラウドコンピューティング事業だ。昨年初めて年次報告書に記載され、「コネクティビティおよびコンピューティング」のダブル戦略を樹立したと発表された。2020年の業績報告では具体的な売上高は記載されていないが、フー輪番会長によると、前年比168%の成長だったという。ファーウェイの事業としては最も成長著しい事業だ。実際、ファーウェイクラウドは昨年、中国国内のパブリッククラウド市場で2位につけている。

急成長を遂げた客観的理由としてフー氏は、コロナ禍で加速した社会のデジタル化と、企業がクラウド移行に対して積極的になったことを挙げ、「企業のクラウド移行は1年から3年ほど前倒しになった。2025年までに世界の97%の大手企業がAIを導入するだろう」と述べている。

年次報告書によると、ファーウェイクラウドはすでに220以上のクラウドサービス、210以上のソリューションをローンチさせており、世界で累計80以上のセキュリティ認証を取得、1万9000以上のパートナーおよび160万人以上の開発者を抱え、4000以上のアプリケーションをリリース済みだ。

任正非CEOはかつて同社のクラウド事業を、エコシステム内のパートナーに「作物」をもたらす「肥沃な土壌」と定義した。また将来はクラウドの時代が到来し、ファーウェイもこれに向かって戦略転換すると表明している。

任氏の構想では、クラウド事業・ネットワーク接続・エンドユーザー(クライアント)が互いに調和して一枚板となることで、2〜3年後には GTS(グローバル・トランザクション・サービス)において世界最高の体験をもたらし、かつ最も安全なエコシステムを実現する。

今年1月末、コンシューマー向け端末事業部のリチャード・ユー(余承東)CEOがクラウド&AI事業部の総裁を兼任すると発表された。ユー氏は社内で開催されたイベントに登壇した際、世界的にクラウド移行がトレンドとなっている金融業界に触れ、「一大チャンスが到来した」と述べている。

しかし、これまでハードウェアを主体としてきたファーウェイにとって、ソフトウェア主体への転換は簡単ではない。任CEOはその難しさも折り込み済みで、「我々は従来型のハードウェア企業であり、こうした企業がソフトウェア企業に転身した先例は世界に存在せず、これから立ち向かう困難の大きさは想像に難くない」と述べている。

作者:WeChat公式アカウント「全天候科技(ID:iawtmt)」、于恵如
(翻訳・愛玉)

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