仏の中華系生鮮EC「ALORSFAIM」が資金調達 欧州事業拡大に期待の声

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在仏アジア人向けに生鮮食品ECを展開する「ALORSFAIM(方円食里)」がシードラウンドで400万ユーロ(約5億円)を調達した。出資を主導したのは「iFly.vc」で、「凱輝基金(Cathay Capital)」なども出資した。iFly.vcは過去にも米国のアジア系生鮮EC「Weee!」に出資している。

ALORSFAIMは2018年、パリのインキュベーション施設「STATION F」で産声を上げた。当初は中華料理のデリバリーで事業を始めた。現在では600超のアジア系レストランが同社のプラットフォームに加入している。昨年、生鮮食品の配送サービスをスタートさせた。本拠地は今もパリだ。

「食に対して品質や利便性を求める声は多い。生鮮食品の配送を始めた最初の数週間、他社に配送を依頼する方式を取っていたが、この方式では欠品が頻発することがわかった。これでは良質な顧客体験を提供できない。そこで、自前の倉庫と管理システムを立ち上げることを決めた」とALORSFAIM共同創業者兼CEOの範曄君氏は説明する。

それから1年もしないうちに、同社はフランスの5地域とベルギーの3都市に拡大し、月間売上高も10倍以上に成長した。現在ではITエンジニア、リテール業界のエキスパートなど100人を超すスタッフが在籍している。

範氏によると、当初は在仏アジア人をターゲットにデリバリーを展開し、短期間で膨大なユーザーを獲得したという。現在は生鮮ECにまで事業を拡大し、ユーザーの消費ニーズを満たすため、良質で厳選された、手に入れにくい商品をそろえている。同社は現在フランスの華人系企業の中でも選択肢の筆頭となっているという。いつでもふるさとの味を提供し、自国の文化を広める役割も担っている。

アプリのトップ画面

ALORSFAIMは今後、倉庫管理能力を強化し、商品ラインナップを拡充させ、欧州で事業拡大を加速させたいとしている。現在同社が運営するアプリでは生鮮食品の購入とアジア料理のデリバリーサービスを利用できる。

出資を主導したiFly.vcの創業パートナー沈瀚氏は「出資者として、米Weee!の驚くべき成長をこの目で見てきた。彼らの成功は『華人系企業のDtoCビジネス』が高いポテンシャルを有していることを示してくれた。また、この業界の競争でどう体系的に優位に立つかについて独自の考察も得られた。ALORSFAIMに出資した理由の一つに、彼らが積極的に投資している点が挙げられる。スタッフは皆優秀で行動的、そして野心家だ。創業初期のWeee!を彷彿(ほうふつ)とさせる」と語っている。

また、凱輝基金の投資ディレクターを務めるJean-François Cochy氏は「過去数年、世界各地の生鮮EC、レストランデリバリー、そしてスマートリテール市場へ投資してきた。スペインのオンデマンド配送企業『Glovo』や共同購入型格安EC『拼多多(Pinduoduo)』などへ出資した経験を活かして、次なるゲームチェンジャーの台頭を後押ししたい。我々自身も、世界的なエコシステムを通じて、物流や技術、ブランドなど多角的な面からALORSFAIMを成長させ、同社が欧州の生鮮EC市場のけん引役となるのを見届けたい」と語った。
(翻訳・Qiunai)

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