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中国のMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)「沈浸文化(ChenJin WenHua)」が、シードラウンドで星瀚資本(Sky Saga Capital)から100万元(約1600万円)規模の資金を調達した。
今年設立されたばかりの沈浸文化は、TikTokなどのショート動画アプリ向けに、配信者をスカウトして育成しており、現在は8人の配信者をマネジメントしている。総フォロワーはすでに500万人を突破し、月数十万のペースで増加中だ。中には、再生回数1億回超で「いいね」448万を記録した動画や、約100万人のフォロワーを獲得している配信者もいる。
同社の王玉珏CEOは「ショート動画の分野で、爆発的に拡散されるコンテンツを制作するのは難しくなる一方だ。ユーザーの目はどんどん肥えていく。誰にでも撮れるような内容では今後は生き残れない」と話す。
一方で、話題の動画を日々送り出し、毎月1000万規模の人気アカウントを輩出し続けているのがTikTokだ。一般人でも簡単に作れるダンス動画、リップシンク動画、リバース動画などが人気だが、こうした動画と差別化するため、沈浸文化は特殊効果を使ったトリッキーな動画の分野を開拓している。モデルに施したアイシャドウやリップの色が次々と瞬時に変化する手法などは、企業広告にも応用できそうだ。
しかし、大ヒット動画をコンスタントに量産することは難しい。王CEOによると、動画の完成度をアルゴリズムに自動評定させると、変動係数が大きくなり、しきい値の影響も大きく受けるため、ユーザー評価とは大きくかけ離れる場合があるとのこと。自動評定ではわずか1点の差でも、実際の再生回数やフォロワー獲得数では大きな差が出ることもあるのだ。
これは広告主にとっても大きな問題だ。広告効果に予測がつかないため、TikTokでも広告事業は苦戦している。広告料も低額に設定せざるを得ない。
短い広告動画により多くの情報を詰め込み、なおかつクリエイティビティを維持するためには、制作陣に相当なスキルが求められる。このスキルについて、王CEOは「インターネット感覚」と表現した。インターネットにおけるトレンドを熟知し、肌感覚でトレンドを予測できる能力があれば、コンテンツを一目見ただけでヒットするかどうかがわかるという。沈浸文化がプロデュースする動画では、閲覧者からフォロワーを取り込むコンバージョンレートは1/100~1/60だという。
「インターネット感覚」を第三者に教えるロジックはまだ確立していないが、それでも高品質なコンテンツの制作体制は作れるという。沈浸文化のクリエイティブチームは撮影、ポストプロダクション、脚本、タレントマネージメント、出演者(インフルエンサー)の計10人ほどで構成されている。
「TikTokの全盛期はすでに終わった」とする内外の声について王CEOは、「ショート動画の歴史を振り返ると、旧正月の連休中にユーザーが大幅に増加する。2019年の旧正月にも同じ波が起こるかもしれない。ただし、TokTokにとっては次の旧正月が躍進のラストチャンスになるだろう」と分析する。旧正月前にどれだけコンテンツを充実させられるかが、勝負の分かれ目になる。
(翻訳・愛玉)
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