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自律走行搬送ロボット(AMR)メーカーの「ForwardX Robotics(霊動科技)」が、シリーズCで約2億元(約36億円)を調達していたことが明らかになった。保険大手の「泰康人寿(Taikang Life)」が出資を主導した。資金は新製品の開発やサプライチェーンの整備、海外市場の拡大などに充てるという。
2021年3月にもプレシリーズCで約2億5000万元(約45億円)を調達しており、累計調達額は今回で1億ドル(約110億円)を超えた。創業者の斉欧CEOは「間もなく次の資金調達を開始する。今後3年以内の上場を計画している」と述べた。
2016年5月設立のForwardX Roboticsは、中国で最も早くビジュアルナビゲーションを活用したAMRメーカーの一つで、用途に合わせて「Flex」「Max」「Apex」の3シリーズを展開している。複数のAMRに命令を割り当てるディスパッチシステムを基盤としており、一つのソフトウエアプラットフォームで物流業や製造業、小売業などさまざまな業種の現場にスピーディに対応することが可能だ。
同社のソリューションはすでに、物流大手「京東物流(JD Logistics)」や自動車大手「北汽集団(BAIC Group)」、家電大手TCLなど100社以上に大規模導入されており、リピート率は100%を誇る。同社はファーウェイがパートナーに選定した唯一のロボット企業でもある。
斉CEOはリピート率100%を実現した強みを二つ挙げた。一つ目は技術面の優位性に加え、導入のハードルが低いことだとういう。同社のAMRは迅速な納品が可能な上、導入先の企業は施設や設備に改変を加える必要がなく、ニーズに応じて台数を増減することもできる。
二つ目は、現場への深い理解だという。同社のAMRは現在、主に物流や製造の現場での搬送作業に用いられ、労働力不足の解決を後押ししている。とくに、中国国内向けに打ち出したピッキング作業用の協働ソリューション「Pick2Go」は、作業効率向上と人員削減に効果を発揮している。
Pick2Goは少数のスタッフと多数のAMRを組み合わせることで、倉庫におけるピッキング作業の効率向上を実現する。このソリューションのもと、すでに50カ所以上の倉庫で1000台近くのAMRが稼働しており、ピッキング効率を50〜200%向上させたという。
製造業の現場では、さまざまなタイプのAMRを組み合わせることで、原料の入荷から製品のラインオフまでの搬送と資材の流れを一括管理する。ある自動車メーカーの工場では同社のソリューションを導入することで、既存生産ラインのまま作業効率を50%向上させ、人員削減にも成功した。
スマート製造やスマート物流などに注目が集まる現在、企業の自動化や半自動化はすでにトレンドとなっている。各業界の競争が熾烈さを増す中、ARMメーカー間の競争の焦点は技術面からコスト面やサプライチェーン関連に移りつつある。
斉CEOは今後の方針について「大量納品できる能力を向上させると同時に、国際的なビジネス展開も積極的に行う。技術面ではAMRの品質向上とコスト低減を進めていく」と述べた。その上で、当面の目標出荷台数を1万台とし、2023年には黒字化を見込んでいると明らかにした。
ForwardX Roboticsは中国国内でのシェア拡大を目指すと同時に海外市場へも進出しており、すでに米国と日本に現地法人を設けている。
(翻訳・田村広子)
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