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O2Oやニューリテールが台頭してきたことにより、企業の業務フローやサプライチェーンはますます複雑になっている。ERPなどの従来型システムは、内部連携の難しさや複数のシステムによる作業効率の低下、財務会計コストが高いなど様々な問題を抱えており、企業にとって足かせとなっている。
この問題を解決すべく、「欧電雲(Odianyun)」は日用品、ファッション、コスメ、医薬品などのリテーラー向けに、ミドルオフィスソリューションを打ち出した。社外データと社内データを統合することで、リテーラーは市場や消費者のニーズの変化に即座に対応してユーザー体験や運営効率を向上させると同時に、運営コストを削減できる。
具体的には、顧客、販売、受注、在庫、財務など、これまで分散していた業務モジュールを1つのプラットフォームに集約して、従来型ERPや倉庫システム、配送システムと接続し、POS端末やECプラットフォームに接続する。
技術に関しては、マイクロサービス・アーキテクチャを使用している。従来型ERPシステムに比べて、柔軟性が高く、他のシステムと接続しやすく、変化に素早く対応できる。
欧電雲が3年を費やして開発したミドルオフィス・システムは2018年初めにリリースされ、スナック食品チェーン「来伊份(Laiyifen)」、レディースブランド「伊芙麗(eifini)」、化粧品メーカー「珀莱雅(PROYA)」など、すでに大手企業20社以上に提供している。
伊芙麗は、ミドルオフィスシステムを活用することで、オンライン、オフライン、店舗など全チャネルを1つにまとめ、情報を共有することができた。同社は2018年9月にニューリテール部門を立ち上げて、171軒のスマート店舗を展開。10月には、店舗以外でも顧客と連絡を取り、商品を勧めるスマートアドバイザーの運用を開始した。その結果、同年の双11期間(11月11日)には店舗外のチャネルで売上高が109万元(約1800万円)に達した。
小売業のニーズの変化に伴い、次々に登場するミドルオフィス製品だが、その品質を判断する基準について、欧電雲CEOの韓軍氏は、「ミドルオフィスは単にデータをリンクするパイプではなく、業務処理を行えるかが重要だ」と語る。また「システムがリアルタイムで処理したりデータを反映したりできるか、マイクロサービス・アーキテクチャ設計であるかどうかも重要な判断材料になる」という。
欧電雲は2018年にシリーズB+で「君聯資本(Legend Capital)」などから約1億元(約16億円)を調達している。創業者でCEOの韓軍氏はECサイト「1号店(yhd.com)」のCTOや求人サイト「51job.com」のサイト責任者を歴任したほか、米国の比較ショッピングサイト「smarter.com」の設計と開発にも従事した。
(翻訳・畠中裕子)
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