縫製ロボット「速英科技(sewingtech)」、全自動生産でアパレル業界の課題解決に一役

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縫製ロボットでアパレル生産の全自動化を手がける「速英科技(sewingtech)」が、エンジェルラウンドで1000万元(約2億円)以上調達した。「創新工場(Sinovation Ventures)」の先端技術投資ファンドが出資した。

速英科技は2022年3月に設立され、繊維・アパレル業界が長期にわたり悩まされている人手不足の解決、生産効率向上に取り組んでいる。ロボットは衣料品の大規模生産に利用されているがレーザー裁断や電動ミシンでの縫製など簡単な作業にとどまり、業界は本質的に依然として労働集約型産業だ。

アパレル業界が使用する織物の生地は柔らかく、伸びたり歪んだり折れたりしやすく、縫製処理も裁断した生地を運ぶのも難しい。また、ブランドや消費者と直接関わる業界であるため、ボタン止めやボタン穴の位置など製品の細部処理に高いレベルが求められる。自動縫製は織物の処理から縫製の全工程(例えば布をつかみ、運んで位置を合わせ、縫う)を自動で行うので、アパレル生産の全段階で生産効率を向上できる。

中国国家統計局のデータによると、中国全土で販売額が一定額以上に達した繊維製品全品目の小売販売額は2021年に1兆3842億元(約28兆円)で、22年には1兆4479億元(約29兆円)に達すると予想される。20年にはアパレル業界のメーカーは中国全土で17万社、アパレル生産に従事する労働者は826万人、うち縫製工は全アパレル生産従事者の60%を占めた。自動生産ソリューションの市場はTシャツだけで約167億元(約3300億円)、繊維製品全体で約3339億元(約6兆6800億円)と推計されている。

中国は軽工業のサプライチェーンが整っており、アパレル生産の自動化は市場の成長余地が非常に大きく、人件費の上昇が続く中国がアパレル生産で競争力を維持するためにも必要だ。特に新型コロナの感染が続く中、アパレル生産の自動化で需要も供給も維持していくことが一層求められている。

需要サイドを見ると、繊維やアパレル業界では大量の生産注文が東南アジアに流出し、注文の取り消しも急増して業界全体で売り上げが減少している。さらに、大ロットでも小ロットでも生産には効率が重視される。供給サイドを見ると、アパレル工場は長きにわたり熟練した縫製工に依存しているが、縫製工の育成も募集も難しく、縫製工の給与の上昇も縫製工場の利益を圧迫している。これらを背景に、中国のアパレル産業はスマート化、自動化が必要になっている。

画像販売プラットフォーム「視覚中国(Visual China Group)」より

速英科技の創業者である劉帥CEOは「アパレルの自動生産は縫製機能の実現や関連アルゴリズムが難しいが、ここが我々の得意とするところだ。速英科技のロボットは、専門技能を持たない普通の縫製工でも1人で2台を同時に操作可能で、生産効率を少なくとも2倍に向上させられる。縫製ロボットの生産ラインは、24時間休みなくTシャツを生産すれば熟練縫製工8~10人相当の労働量をこなし、生産効率も2倍になる」と語った。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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