スポーツウエア市場で中国ブランド急成長 海外大手追い抜く傾向

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【新華社北京11月2日】競争の激しい中国スポーツシューズ・ウエア市場で今年、米ナイキや独アディダスなどの海外大手が売り上げを落としている。その代わりに急速に業績を伸ばしているのが国産ブランドだ。国産上場メーカーの安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)や特歩国際(エクステップ・インターナショナル)、361度国際(361ディグリーズ・インターナショナル)などの7~9月の売上高は前年同期比でいずれも増加し、ナイキやアディダスは2桁の減少となった。国産ブランドは海外大手を追い抜く傾向を見せている。次の5つの要因が考えられる。

1.消費者の国産ブランド志向

魅力のある製品の登場で、消費者の国産ブランド志向が高まっている。「製品力がなければ、国産ブランドは国際ブランドと太刀打ちできない」と特歩国際の関係者は語る。同社は研究開発をもう一度やり直し、独自のイノベーションを実現することで、国内マラソン大会での使用率で海外ブランドを抜くまでに成長した。

2.国産メーカーの地方市場開拓

市場アナリストの程偉雄(てい・いゆう)氏によると、ナイキやアディダスは「一線都市」と呼ばれる北京、上海、広州、深圳の4都市や省や自治区の中心都市では主導的地位を占めるが、より小さい「二線都市」(地域的中核都市)や「三線都市」(地方主要都市)での浸透率は低い。国産ブランドはこうした市場の開拓で販売を拡大している。同氏は、海外ブランドが下に向かって市場を開拓するのに対し、国産ブランドは上に向かってシェアを拡大しており、激しい競争になっているとの認識を示した。

3.販売チャンネルの刷新

国産ブランドには「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」と呼ばれるメーカー直販モデルが広がっている。安踏体育用品は上半期(1~6月)、約6600店あるスポーツ用品店と子供用品店の約52%が直営店だった。財務統計を見ると、同社のD2Cによる上半期の売上高は66億4千万元(1元=約20円)で前年同期比79%増え、主要ブランドの売上高の50%近くを占めた。

4.合併・買収(M&A)

中国のスポーツシューズ・ウエア業界ではここ数年、M&Aを通じ、多元的で補完的な製品のラインナップを構築しようとするケースが相次ぎ、国産ブランドの成長ルートの一つとなっている。匹克(PEAK)はアウトドアブランドのOZARKを買収した。361度国際によるフィンランドのスキーポールブランド「ONE WAY」の買収では海外ブランドの中国市場への重視も取引の成立を促した。

5.アウトドア市場の展開

消費者の需要を敏感に察知し、アウトドア市場での業務を積極的に展開していることも、中国本土の企業の成長のカギとなっている。スキーやゴルフ、トライアスロンなどに特化した「迪桑特(DESCENTE)」とキャンプ用品の「可隆(KOLON SPORT)」の2ブランドを中心とする安踏体育用品傘下のアウトドアブランドは上半期、売上高を前年同期比29.9%増の18億3千万元に伸ばした。

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