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日本最大級成長産業カンファレンス『FUSE』が12月14日に開催された。起業家や政府関係者、大学、大企業など、日本を支える最前線で戦う著名な人材が登壇し、スタートアップの未来について語りあった。31カ国、5000人以上の視聴登録があり、過去に比べシンガポールや中国をはじめとしたアジア地域からの視聴数も増え、日本市場への関心の高さも伺えた。
日本がスタートアップの創出、海外との連携に本腰
オープニング・セッションでは、内閣府大臣政務官を務める鈴木英敬氏が登壇した。「今はあらゆる政治家がスタートアップ政策について、取り組んでくれています。政府としても11月28日に、5カ年計画をまとめました。スタートアップは岸田政権の最重要政策であり、5年で投資額を10倍にしていきます」と力強く述べた。
また、主催するフォースタートアップス代表取締役社長の志水雄一郎氏も、「日本で広がりを見せるスマートシティや環境、ヘルスケア領域においてスタートアップが活躍するためには、大企業や官庁などがともに最大限努力してコラボレーションすることが大事になってくる。FUSEが大企業と海外を含めたスタートアップとの新事業創出のきっかけになるように期待しています」と述べた。
中国・アジアとの連携に期待を感じる象徴的セッション
日本企業が海外の起業家や投資家との接点を希望することを裏付けるように、開催前から日本で話題になっていた海外セッションもあった。
その筆頭として、バイトダンスのLark(海外版飛書)の日本担当として執行役員を務める後藤氏が登場した『新時代を切り拓くための人と組織のこれから』のセッションがある。同社はコロナ禍でもグローバル全体の従業員数が6万人から11万人へと倍近くに伸びているがその成長を下支えするのがLarkだという。グローバル規模の急成長の裏にはデジタル技術を活用した人と組織の変革が必須、同社がこれまで経験した多くのノウハウをビジネスツールに落とし込んだのがLarkであり、日本でもスタートアップの事業成長を支える強力なツールとして認知度を高めている。
モデレーターとして登場した早稲田大学の長谷川教授によれば、これまでの日本のデジタル化は、デジタルリテラシーの高い大企業が業務効率化のために技術を活用する場面が多かったが、最近はデジタルリテラシーの低い業種であっても、付加価値創造のためにLarkのようなデジタル技術を活用する準備が整い始めており、市場が急速に拡大するだろうと述べている。
また、中国産業パークをテーマにした『中国エコシステムから見るスタートアップの成功方法』セッションも人気だ。中信建設や日本の大手商社などが登壇、外資企業を誘致し各都市の経済や産業を発展させる最新の発展モデルを紹介した。中信グループや伊藤忠商事が取り組む例として、日本企業からの関心も高いSDGsや脱炭素に注力し、クリーンエネルギーを都市全体に供給する江蘇省塩城市の事例が紹介された。
これらの産業パークは、海外との連携にも非常に期待をしている。企業にとって産業パークは入居して終わりでなく、入居してからもビジネスマッチングをはじめとした手厚い支援が受けられる。特に海外企業が単独で中国進出することに比べれば、事業推進力が格段に高まるため、中国での事業展開を期待する海外のスタートアップや中堅企業などからの引き合いも増えているという。海外の先進技術を活用したい中国の地場企業にとってもメリットがあり、中日企業の双方が更なるコミュニケーションを熱望している状況とのことだ。
これまでの日本のスタートアップカンファレンスに参加するのは、日本国内企業や日本のVCが中心だった。しかし今回の『FUSE』は世界に向けた発信を強化、これに賛同した海外の著名人が多くのセッションに参加し、日本の視聴者も非常に刺激を受けているという。イベント期間中に行われた海外投資家と日本スタートアップの商談、海外スタートアップと日本大手企業・投資家との商談も日々増えているようだ。
(36Kr Japan編集部)
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