バイクと車の長所をあわせ持つ超小型EV、年末発表  中国の若者をターゲットに

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超小型の電気自動車(EV)を開発する中国スタートアップ企業「坐騎科技」が、エンジェルラウンドで数千万元(数億〜十数億円)を調達した。出資したのは海貝資本(Seashell Capital)、元航資本(Essential Capital)など。

2018年に設立された坐騎科技は超小型EVを手がけ、車体を自動的に傾斜させる「VATC(Vehicle Active Tilting Control)」などの技術やシャシー(車台)のトータルソリューションを展開する。創業者の王亜氏は北京理工大学で博士課程を専攻し、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で客員研究員を務め、自動運転関連のソリューションを提供する中国企業「智行者科技(Idriverplus Technology)」で、自動運転車の制御アルゴリズムに従事した。

自動車業界がガソリン車からEVへ移行する過程で、電動バイクにも成長機会がもたらされている。坐騎科技が開発するのは一般に広く流通する電動バイクとは異なり、自動車のように筐体で囲われた狭小ボディの超小型EVで、バイクと自動車の中間のような形態だ。

王氏によると、中国では毎年2000万台ほどのバイクが売れる。しかし、バイク移動には風や日光にさらされるという問題もつきまとう。高齢者用電動カートならこうした問題も回避できるが、ユーザーはほとんど中高年に限定されるうえ、走行速度が遅い、車体がバイクよりかなり大きい、デザインが冴えないなど、若者を引きつける要素は少ない。同社の車種ならばバイクの欠点をクリアできると王氏は考える。高齢者用電動カートに比べて車体も幅狭で走行速度も速く、都市在住の若者向けに設計されているからだ。

坐騎科技の超小型EVはボディ幅が0.8〜1メートルで、マイクロカーの半分ほどだ。走行速度は時速70〜110キロで、航続距離は150キロ。車内にはステアリング、IoV(車載インターネット)、エアコンなどを備える。過去にトヨタ自動車もこれに似たパーソナルモビリティ「TOYOTA i-ROAD」をリリースしている。

また、シャシーには車体を傾斜させるVATC技術が採用されている。車が曲がるときにカーブの内側に向かって車体が傾斜し、重心を分散させることで遠心力を打ち消し、横転を防ぐようになっている。このため、筐体に覆われた車体でありながら、バイク並みのサイズとコーナリング能力を兼ね備えるのだ。

同社初の超小型EV「Z6」はすでに試作を終え、年末にも正式発表される予定だ。最初の製品を発売した後は、5年以内に3車種の発売を目指している。

(翻訳・山下にか)

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