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米ゼネラル・モーターズ(GM)が、マイクロソフトのクラウドサービスAzureとオープンAIのChatGPTを利用して、新たな自動車用AIアシスタントを開発していることを、海外メディアTeslaratiが報じた。
ゼネラル・モーターズの副社長スコット・ミラー氏によると、ChatGPTを活用して車両に関する情報にアクセスしたり、カレンダーのスケジュールを整理して予定をリマインドしたりできるという。具体的には、メーターパネルの警告灯が点灯したときにどうすべきかのアドバイスや、インフォテインメント・システムで実演動画を流しながらのタイヤ交換指南などが可能になり、現行の車両向け音声アシスタントからさらに進化したものとなる。
情報によると、ゼネラル・モーターズの音声アシスタントはChatGPTをそのまま使用するのではなく、開発企業であるオープンAIの技術を車載用に調整して利用するものとみられる。
それに負けじと中国の自動車メーカーの多くも、バイドゥ(百度)がリリースした中国版ChatGPT「文心一言(ERNIE Bot)」の導入の意向を続々と表明している。
複数メーカーが「文心一言」の導入を宣言
ゼネラル・モーターズがマイクロソフトと提携したのに対し、中国の自動車メーカーが提携先に選んだのはバイドゥだ。
バイドゥは10年以上にわたってAI分野に取り組んでおり、高度な意味理解と生成能力を持つ大規模事前学習モデル「文心大模型」を有している。3月16日には、これをベースにした対話型AI文心一言を発表した。
文心一言が正式に発表される前から、すでに中国の自動車メーカー十数社から提携のオファーがあったという。
2月14日、バイドゥ傘下の新興EVメーカー「集度汽車(Jidu Auto)」は、文心一言の総合的な能力を統合することにより、大規模モデルに基づいた世界初のスマートカー向け対話型AIを作り上げ、自動車との自然なインタラクションの向上を目指すと発表した。
2月20日には中国自動車大手の吉利汽車(Geely)が、文心一言エコシステムの最初期のパートナー企業となることを発表。提携の重心は対話型AIで、その成果は吉利汽車の最新ブランド「吉利銀河(Geely Galaxy)」のモデルのスマートコックピットにいち早く採用される。
吉利汽車は、文心一言を導入することで吉利銀河のスマートEVに最先端のAI技術が加わることになると考えている。文心一言の大規模言語モデルは、吉利銀河シリーズが対話型AIという新たな体験の扉を開くきっかけになるだろう。
さらに中国高級車「紅旗」のほか、「愛馳(AIWAYS)」「長安汽車(Changan Automobile)」「東風日産(Dongfeng Nissan)」「零跑汽車(Leap Motor)」など大手メーカーや新興EVも文心一言との連携を正式に発表している。
クルマのスマート化を後押し
テクノロジーの進歩やユーザーの期待に押され、車の内外で利用できる情報や機能はますます多くなってきた。クルマの操作方法も物理ボタンからタッチパネル、さらには音声操作やマルチモーダル操作へと段階的に変化を遂げており、スマート化が進む傾向にある。
この先、ChatGPTは自動車とのインタラクションにとどまらず、自動運転やインフォテインメントなどさまざまな分野での応用が期待される。ゼネラル・モーターズがChatGPTを自動車システムに組み込むことに成功すれば、車内や運転支援のスマート化レベルは段階的に向上していくことだろう。
作者:WeChat公式アカウント「車東西(ID:chedongxi)」
(翻訳・畠中裕子)
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