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電動アシスト自転車(eバイク)ブランドの「一英里(Onemile)」が、プレシリーズBで核聚資本や啓迪之星(Tus Star)などから5000万元(約10億円)近くを調達した。調達資金はチーム拡大、製品開発、生産、ブランド構築に充てられる。
これまでOnemileの売り上げは、欧州市場で販売する価格帯2000ユーロ(約30万円)前後の中高級eバイクが90%近くを占めていた。成熟した欧州のeバイク市場において、Onemileは小径の折りたたみ自転車で差別化を図っている。最大の特徴である折りたたみ機能に関しては、すでに複数の特許を出願しており、製品は2秒で折りたためるという。また、三次元鍛造と炭素繊維などの材料を一体化させる加熱・加圧成形によって、折りたたみeバイクの重さは15キロに抑えられた。
Onemileの製品は車のトランクに簡単に収納でき、「4+2(4輪の自動車に積める2輪の折りたたみ自転車)」のコンセプトで欧州市場の需要に応えている。また、折りたたみ構造や加熱・加圧成形を特徴としているため、従来の生産方式よりも工程に高いレベルが求められる。担当者は「完全ライン生産のOEM(相手先ブランドによる生産)工場を探そうとしたが、良品率がとても低かった」と話す。
この問題を解決するため、Onemileは2021年から自社工場を建て、ドイツの組立方式を参考に生産工程を改良した。手作業とライン生産を組み合わせ、技術者もランクに応じて訓練している。これによって良品率も高まったという。また、手作業とライン生産を組み合わせたことで、製品をカスタマイズする余地も広がった。この方式なら、フレームの色やバッテリー容量、ネームプレートなどにユーザーの好みを反映することが可能になる。今後はオンラインプラットフォームで、消費者にカスタマイズの選択肢を提示する方針だ。
欧州のほかに、北米と中国市場の開拓も計画している。eバイクの市場浸透率が20%の欧州に比べ、北米は浸透率が約5%と、市場はまだ形成期にある。中国では小径車やキックスケーターのカテゴリーで優位なブランドが出ていない上、新国家基準などの政策によって電動モビリティの規格化が進めば、市場の開放や意識の変化が進む可能性がある。
より広大な市場に向けて、Onemileは折りたたみ自転車に加え、ファットバイクやマウンテンボードなども開発し、製品ラインの拡充を図っている。
現在は欧州に200店近くの実店舗を開設し、現地の研究所と共同開発も進めている。2022年の売上高は前年比2~3倍増となり、23年は工場の生産能力が10万台に上る見込み。今後はターゲットとする市場で専用サイト立ち上げのほか、実店舗の開設などオフラインチャネルの強化を計画している。実店舗では都市部のパートナーと協力して郊外サイクリングなどのイベントを開催し、ファンマーケティングを進めながらeバイクとOnemileブランドの認知を高めていく。
(翻訳・大谷晶洋)
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