中国で「漢方コーヒー」が静かなブーム 若者の健康志向を追い風に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

特集注目記事

中国の大都市で「漢方コーヒー」が静かなブーム 若者の健康志向を追い風に

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

競争の激しい中国のティードリンク市場では、多くのブランドがそれぞれ独自のコンセプトを打ち出し、差別化を図っている。2020年ごろには、中国医学に基づく治療や健康指導を提供する「中医館」や中国伝統の「中薬(漢方薬)」を処方する薬局が、漢方薬の材料とミルクティーをブレンドした「漢方ミルクティー」を打ち出し、併設の喫茶室などで提供するようになった。一時は若者の間で話題となり、22年まではソーシャルメディアを賑わしたものの、現在はすっかり勢いが衰えている。

そんな中、流行に敏感な若者が集まる四川省成都市や上海市、広東省広州市などの大都市では、「漢方コーヒー」が静かなブームを呼んでいる。地元の中医館や薬局がコーヒーブランドと提携するケースも多いが、コーヒーブランドが独自に開業した専門店もある。

漢方コーヒーのメニューは、「紅景天(コウケイテン)ラテ」や「「枸杞(クコ)ラテ」「羅漢果(ラカンカ)アメリカーノ」「金銀花(スイカズラ)コールドブリュ―」など、さまざまな漢方をブレンドしたコーヒー。店舗のインテリアは伝統的な中医館や薬局をモデルとしており、昔ながらの処方箋を模した伝票が使われている。問診や脈診を行い、来店者の体質に合った漢方コーヒーを選んでくれる店もある。

あるバリスタは「漢方コーヒーは、単なる客寄せの仕掛けだと思われてしまう可能性もある」と指摘する。中国の若者は新しいものが大好きで、最近は中国伝統の健康維持法「養生」に対する関心も高まっている。漢方コーヒーが若者の好奇心を刺激するのは間違いないが、漢方薬の風味が強すぎると「変な味で受け入れられない」と嫌われ、風味を抑えすぎても「普通のコーヒーと変わらない」とそっぽを向かれる可能性がある。漢方コーヒーが一過性のブームに終わらず定着するか、今後の動向に注目したい。

中国ラッキンコーヒー、売上高で初のスタバ超え:23年4~6月期

(36Kr Japan編集部)

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録