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世界のスマートフォン市場の2019年第2四半期の販売状況が発表された。世界五強メーカーのうち、ファーウェイが2ケタ成長と最大の伸び幅を見せたが、米国による事実上の禁輸措置の影響が表れ、前四半期と比べると失速した。
IT関連調査会社ガートナーの調べでは、スマートフォンの販売台数は全世界で3億6800万台だった。同社リサーチディレクターのアンシュル・グプタ氏は、「ハイエンド機種の需要の下げ幅が、ミドル・ローエンド機種の需要の上げ幅を上回っている状況だ」と述べている。
しかし、世界五強の販売台数はおおむね増加に転じており、5社全体で前年同期比2.1%の伸びとなっている。主にトップ2のサムスンとファーウェイの伸びが販売台数増加に貢献した。
ファーウェイは今年5月、米商務省のエンティティリスト(禁輸措置対象)に追加された。任正非CEOによると、その後わずか1カ月で海外市場への出荷台数が4割も減少したという。今四半期の成長は前四半期の44.5%を大幅に下回る16.5%となった。
海外市場での不振を補うべく、ファーウェイは国内市場の強化に動いた。もともと技術力、販路、ブランド力に優れているため、シャオミ(小米科技)、OPPO、vivoなど大手競合のシェアをも奪う結果となっている。ガートナーによると、ファーウェイは今四半期、国内市場で前年同期比31%の成長を達成し、販売台数は単四半期では最高記録となった。また、梁華会長によると、海外市場での販売も7月末時点で禁輸措置前の8割程度まで回復しているという。
ファーウェイは現在、米国のサプライヤーから調達していた部品の代替品をアジア太平洋地域、欧州の各国で手配している。さらに、一部の部品については自社開発やメーカーへの投資を強化している。
サムスンは2018年第2四半期以来のプラス成長に転じ、販売台数は前年同期比3.8%増だった。また、2018年第1四半期以来の世界シェア20%台回復となり、20.4%に達した。ミドルレンジ機種「Aシリーズ」の好調が大きく貢献した結果だ。
シャオミは同1.1%増、OPPOは同1.4%減と、販売台数はほぼ横ばい。アップルは同7.7%の大幅減だった。昨秋に発表した「iPhone Xs」が新鮮味に欠け、価格が高かったことで人気が振るわなかったことが原因だ。同社のiPhone事業はほぼ頭打ちを迎えたといっていい。しかし、前出のグプタ氏によると、アップルはすでにサービス関連事業に軸足を移しつつあり、その売り上げが2019年第1四半期には総売上高の21%を占めるまでになっているという。
世界のスマートフォン市場は徐々にサムスン、ファーウェイ、アップルの三強時代に移行しつつある。サムスン、ファーウェイと比較してアップルは販売数では劣るものの、技術力やブランド力では揺るぎない地位を堅持している。
(翻訳・愛玉)
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