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中国ではミュージカルやパフォーマンスなどのエンターテインメント市場が成長の兆しを見せている。そのような中、各種イベントを企画するスタートアップ「巨硬互動(Juyinghudong)」は昨年、オフラインエンターテインメント市場の発展性に着目し、大人気バトルロイヤルゲーム「PUBG」のシーンをリアル世界に再現したサバイバルゲームをローンチした。2016年以降に中国でFPS(ファーストパーソン・シューティング)などの対戦型ゲームが爆発的に流行したが、巨硬互動の共同創業者兼CEOの何賽氏は、中でもPUBGのマップ設定、対戦方式、アイテムの取り上げ方などがオフラインへの落とし込みに向いていると考えた。
既存のサバイバルゲームとは異なり、巨硬互動はIoT(モノのインターネット)をベースとしたスマートウェアラブルアイテム(防具など)やアプリなどのハードウェア・ソフトウェアを採用し、仮想世界と現実世界との融合により、オンラインゲームよりさらに刺激的な没入型エンターテインメントを実現している。
ゲーム中は、装着したヘルメットや防弾チョッキなどの防具やレーザー銃などがIoTによって接続されるほか、手元のアプリで地図を表示し、敵の位置を知ることができる。
さらにはバックヤードのSaaS制御プラットフォームによって、プレーヤーのHP、ツール機能および不正の有無を監視・調整できる上、ウェアラブルアイテムやアプリを通じてプレーヤーに指示やアドバイスを送ることが可能。ゲーマーにとって分かりやすい操作方法が、従来のオフラインサバイバルゲームにおける人的コストの大幅な削減にもつながった。
同社のハードウェアやシステムは、カスタマイズにより他のFPSゲームにも応用が可能だ。何CEOは、今後もプロダクトのアップデートを図ることで、より多様なジャンルのオンラインゲームをリアルな世界に再現させたいと語る。
巨硬互動は商業施設や公園と提携し、空きスペースをサバイバルゲームの会場に生まれ変わらせている。施設側はスペースをより有効に活用できるうえ、集客を向上させるには間違いなく有効な手段だ。巨硬互動にとっては、会場の設置コストも削減できる上に、さまざまな立地を利用することでバラエティに富んだマップ設定も可能となった。
サバイバルゲームの主な利用者は、チームビルディングを目的とした企業や中国最大の口コミサイト「大衆点評(Dianping)」から情報を得た一般客などで、客単価は約200元(約3000円)となっている。年内には加盟店を現在の20店から50店まで拡大したい考えだ。店舗ごとに面積が異なるため、ゲーム1回当たりの参加人数はまちまちだが、所要時間は約1時間半に設定され、週末は1日当たり5~6回(30~50人)の開催が可能。多くの店舗では3カ月以内に初期資金を回収できる。
巨硬互動は、すでに定評があり、かつコンテンツも充実したオンラインゲームをオフラインに移植するという一種の「IPビジネス」の手法により、一定のゲームファンを取り込むことに成功した。今後はリピート率とコンバージョン率の向上に向け、VR・AR関連企業との提携によるPUBG関連テーマパークの立ち上げも計画している。
(翻訳・神部明果)
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