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中国の電気自動車(EV)メーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」がこのほど、充電ネットワーク事業を手掛ける「特来電(TELD)」と共同で山東省青島市に急速充電ステーションを設置した。特来電が小鵬汽車の技術標準に合わせて建設したもので、20台同時の充電が可能。メンテナンスと運営も特来電が引き受ける。
「自社運営ならではの充電体験」を売りにしてきた小鵬汽車だが、方向転換せざるを得なかったようだ。同社の何小鵬CEOは率直にこう語る。「設置場所の選定やメンテナンス、運営でかなりの損失を出した。全国展開でない限り、自社運営は難しい。充電ステーションの運営はそもそもメーカーの得意分野ではない」
今年3月には年内の設置目標として、「約30都市に200カ所」を掲げていた。9月下旬時点で18都市、76カ所に到達したが、目標の水準を大きく下回る。今後は特来電と共同で充電ネットワークを拡大し、予定通り目標達成を目指す方針だ。充電ステーションの自社運営にこだわってきた同社だが、ここに来て他社の力を借りる形となった。
特来電は充電ネットワーク事業を専門に手掛け、豊富な運営ノウハウを持つ。中国全土の183都市で5万基に上る充電設備を運営している。今回の提携により、小鵬汽車が運営するアプリからも特来電の充電ネットワークを利用することが可能になる。小鵬汽車は充電ネットワークの構築・運営という自社の弱みを補完することができ、特来電も小鵬汽車のアプリを通じてさらなるユーザー獲得が期待できる。
中国の新興EVメーカーは当初、米「テスラ」の直販方式と充電ステーションの自社運営を経営モデルに取り入れていた。ところが、市況の急激な冷え込みで資金繰りが悪化。「上海蔚来汽車(NIO)」は直営の体験型ショールーム「NIO House」を展開してきたが、莫大な運営コストが原因で店舗数を伸ばすことができず、運営コストを抑えた「NIO Space」へのシフトを進める方針を示している。
「エネルギーは小鵬汽車のキーワードではなく、単なる戦術だ。われわれの目標はモビリティサービスの充実で、エネルギーはこの目標を支えるものに過ぎない」。何CEOの言葉通り、市況の悪化や資金ひっ迫に直面する新興EVメーカーは、サプライチェーンにおけるそれぞれの役割や協力関係を早急に整理する必要に迫られているとみられる
(翻訳・鈴木雪絵)
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